資金繰り②できることことから!
前回に続き、資金繰りの話です。
私が、売上1-5千万、社員数数人、経理事務不在、という会社で初めて資金繰り表を作る時の作り方を少しご紹介したいと思います。
情報を準備する
表(テンプレート)を準備する
後ほど私が普段使用しているシートを提供しますので、テンプレがない方はご自由に使用ください。これは月単位の資金繰り表になっています。
入金(売上など)を把握する
まずは入金を確認しましょう。請求書発行システムから支払期日で出せる場合はそこから、ない場合は営業台帳からでも大丈夫です。
ここで注意が必要なのは、その売上げがいつ入金されるのか、です。得意先によって入金サイトが違うなどもあるかもしれませんので、売上を企業別で見て整理してみましょう。
受注から入金までの期間が長い企業は、中間金や分割など、納品までに入金してもらうための交渉も必要かもしれません。
支払(原価、経費など)を把握する
資金繰りが必要な理由として、ここは最も重要ですが、資料なしで把握するのも困難な部分だと思います。
損益計算書(PL)で見て利益が出ている好調な企業でも、キャッシュが不足しているときは、商品や原材料の前払で資金が足りないことがほとんどだからです。
特に発注から納品までの期間が長い企業(OEM製造するメーカーなど)は、一度納品サイトを整理して、これでは回らない、ということであれば仕入先との交渉を進めることは資金繰りを改善する手段のひとつです。
支払(経費)を把握する
給料、家賃、その他の旅費交通費など経費の支払いは今はカード払いの会社も多いため、クレジットカードの支払額ということで管理していくのもいいかもしれません。
また、賞与を支給している企業は、大きな出金タイミングなので、金額と時期を把握捨て置くことは、経費関連では重要なものの一つです。
支払(住民税、源泉税、社会保険料、法人税・消費税等)を把握する
住民税、源泉税、社会保険料などは、前月までの実績を参考に入れると、人員数や給与額に大きな変動がなければ、ほぼ近しい金額が得られます。
法人税などの年に1回(中間納付を入れて2回)のものは前年分が参考になりますが、成長している企業は大きく変動しますので注意が必要です。
特に消費税は利益がでていなくても納付が発生するものなので、特に注意が必要だと思います。
ここの見積金額と支払タイミング(決算月によって変わる)は、税理士さんに相談するのが良いと思います。
実際に入力してみる
資金繰り表テンプレート(提供)
それでは、私が普段使用しているテンプレートを提供します。
ご自身のフォルダにコピーした上で、「準備」したものを入力しながら、まずは、先月・当月・来月まで作ってみてはいかがでしょうか。
必ず守らないといけないルールは、過去の月末預金残高が銀行預金残高と一致していることです(複数口座ある場合はそのすべての合計)。
それ以外は、細かく分けきれなくても、まずは大枠で把握していくところからスタートできれば良いと思います。
6ヶ月~1年先まで入力してみる
慣れてきたら、毎月「当月」を実績に更新し、6か月年~1年先まで作ってみてください。
1年先まで入れると、賞与や税金納付が必ず1-2回は入ってくると思います。その大きく資金が凹む時期を乗り越えて、成長のための投資(商品の前払も含めて)をいくらくらい確保できるのか、そういったことも見えてくるかもしれません。
そこをより掘り下げて考えるには、「事業計画」が必要になってきます。
事業計画の作り方についてはまた別に機会に触れたいと思います。
資金繰り表を眺めてみる
悩む→考える へ
資金繰り表を、6ヶ月~1年先まで作ってみると、過度な「不安や悩み」はなくなり、何をすべきか「考えられる」ようになって行くと思います。
表の先まで眺めていると、どのあたりでどれくらい投資できそうなのか、ということも見えてくるかもしれませんし、販売計画通りに在庫の仕入の前払が払えない可能性が出てくるかもしれません。
これらは早めにわかっていれば、手を打って解決できることがほとんどだと思います。
資金繰りをする、とは?
資金の出入りと流れを整理し、先々の事業展開に考えを巡らせること、それが「資金繰り」をするという事ではないかと思います。
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