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ザ・ノンフィクション~コロナ禍の婚活漂流記~の感想

2週にわたりフジテレビの人気番組「ザ・ノンフィクション」で婚活をテーマにした放送がありまして、ネットで大きな話題になっておりました。
うちの自動録画機能にも引っかかって録画されていましたので、さっそく観てみました。
今回はその感想を。(ネタバレを多分に含みますのでご注意ください。)


簡単なあらすじ

新型コロナウイルスは結婚業界に大きな影を落としている。
婚姻件数はコロナ前よりも10%以上減り、戦後最少を更新している。
そんな中、婚活を開始したミナミさん、恋愛経験がなく男性とのコミュニケーションが苦手な彼女が結婚相談所に入会し、婚活アドバイザー(仲人さん)と共に成婚を目指して活動する―

二人の主人公

主人公はミナミさん、30~31歳(収録中に31歳に)私立大学の法学部を卒業後、現在は手取り13万円で飲食店でのお仕事をされています。
結婚後は専業主婦を希望。
ひとりの主人公がミナミさんが会員となっている結婚相談所の婚活アドバイザーの植草さん。ミナミさん以外にも担当をしている会員から日々相談が絶えません。

番組のあらすじ(ネタバレ)

植草さんが担当となり婚活を開始したミナミさん、何人かの男性をお見合いをしているのですが上手くいきません。
紹介された40代で資産を持っている男性とも2回デートしたものの、「相手の声が高いのが気になる、寝具が量販店で売っているようなので幻滅した、店員にもやや高圧的なので自分もああいう扱いをされてしまうのではないか」という理由でお断り。
ミナミさんは相手に完璧を求めてしまい、うまくいかない、思った通りにならないとモヤモヤイライラが溜まって爆発してしまうそうで、植草さんにも諭されます。

そんななかでお見合いをしたのが長谷川さん。40代後半でマンション二棟を管理する会社を家族を一緒にしています。いわゆる地主の人。専業主婦もOKということで3度目のデートまで進みます。ちょうどその日はミナミさんの誕生日、長谷川さんはメッセージ付きのプレゼントを渡してくれました。
ところがミナミさん、同時にお見合いを進めていた町田さんのほうが気になるというのです。
いきなり出てきた町田という男性、30代で介護士をしている人で働き者ですが収入は多くないようです。しかしミナミさんはこちらの町田さんのほうが気になるようで、専業主婦でなくても良いかもしれないと思うようになりました。
当初の希望からずれ始めたことを危惧した植草さんは、ミナミさんに恋と結婚の違いを説き、もし町田さんと一緒になった場合の想定家計簿をみながら打ち合わせをします。かなり厳しい家計になることがわかったのですが、それでもミナミさんは町田さんと会いたい様子。しかし3回目のデートで町田さんの家にお邪魔した夜、ミナミさんから町田さんとの交際終了のお願いが出ました。理由は町田さんの部屋にあった座布団が擦り切れていて、節電節約で少し暗い印象の部屋が耐えられなかったとのこと。部屋に行ったことで結婚後の切り詰めた生活をリアルに想像できてしまい、断ることにしたそうです。
そして残る長谷川さんの魅力を再認識することになります。長谷川さんはデート中にミナミさんが落としてしまったイヤリングを探すため、その日に立ち寄った施設や乗った船の会社全てに問い合わせをして探そうとしてくれていたのです。


こうしてミナミさんは長谷川さんと真剣交際に移行しました。成婚まで大きく前進したのですが、ここで大きくつまづいてしまいます。
長谷川さんの家に挨拶に行く日取りも決まり、さらに結婚へ近づくというところでミナミさんの母親が強い難色を示したのです。「騙されているのではないか?」「向こうの親と同居でやっていけるのか?」「使用人のような扱いにされてしまうのではないか?」とプレッシャーを掛けられてミナミさんのメンタルは大きく落ち込んでしまいます。
そしてミナミさんと長谷川さんが不動産屋巡りをした日、ミナミさんが体調を崩し公園のベンチで休憩をしたときに「ぼくもパニックを起こすことはあるから」という長谷川さんの励ましの言葉を『ぼくにはパニック障害がある』とミナミさんが勘違いしてしまい、病気を隠していたのかと激怒。急転直下交際終了の意思を示し、長谷川さん宅への訪問は中止になり、植草さんには中傷メールまで送ってしまうのです。
植草さんはミナミさんを説得して、気持ちを落ち着かせて長谷川さんとの交際は再開されるのですが、結局長谷川さんとの交際終了。ミナミさんの婚活はまだまだ続いていきます―
というところで番組も終了。

このように2週にわたった物語はバッドエンドとなりました。
どうしてこのような結末になったのでしょうか。
ご覧になるとわかるのですが、このままではミナミさんの婚活は難しいなと思えそうなポイントがいくつも見えてくると思います。


ミナミさんが難しいなと思ったところ1

ミナミさんはお相手に求めるばかりで、何を与えることができるのかという部分が欠けていると思いました。ギブ・アンド・テイクの考えでいうと典型的なテイカーですね。
パートで短時間働いてもいいけど自分が稼いだお金は全て自分が使う、宝塚の観劇にも行きたいし化粧品も安くないものを使いたい……といった感じです。
「相手に完ぺきを求めるのはわかるけど、ミナミさんは相手に何を与えられますか?」と質問すればきっと黙ってしまうと思います。

ミナミさんが難しいなと思ったところ2

思い込みの激しさ、悪い意味での行動力ですね。
長谷川さんとの関係がこじれてしまったパニック事件もそうですが、そこに至るまでの長谷川さん家への挨拶、その日取り、不動産屋訪問はミナミさんが全て長谷川さんに話をすることなく勝手に決めたというです。
挨拶をするにしても長谷川さんやご家族の都合があります。相手の都合を考えず相談せず行動を起こすのはトラブルに繋がりますね。結局ミナミさんの思い違いで挨拶は中止となってしまったわけです。
不動産屋に行ったのも、結婚後相手の両親と同居をしたくないので勝手に暮らす場所を決めようと思って動いた結果でしょう。
一言でいうと自分勝手で周りが見えなくなるんですね。

ミナミさんが難しいなと思ったところ3

ミナミさんの婚活がうまくイカなかった理由を一つに絞れというならば『減点法を使っている』ことだと考えます。
相手の少しでも劣っている部分をマイナスとして評価し続ける考えのことで、『え?そこは別にいいよね?』という部分まで減点対象としてしまい、不合格と決めてしまうのです。ミナミさんがお見合いした資産のある男性が「ヨーカドーのシャツ」を着ていたことが気に入らず交際終了しました。ですがお金持ちほど慎ましく、使うところは使って絞るところは絞ります。
このお相手は普段はヨーカドーのシャツを着ているかも知れませんが、稼いだり貯めたお金から記念日などに高額で素敵なプレンゼトを送ってくれたかもしれないのに。

私が昔まとめた婚活でうまく行かない女性条件でも、いの一番に『減点法』を挙げています。

ミナミさんが難しいと思った 裏の理由


ミナミさんが結婚できない理由の裏ボス的存在、それは母親と家庭環境なのかなと思います。
お母さんは1~2分程の登場でしたが、長谷川さんに難色を示したときの畳み掛けるような語り口と反論は許さないという意思を画面越しにも感じました。
これではどんな男性と決まりかけたとしても反対をすることでしょう。(仮に町田さんと話を進めても猛烈な反対をすることが容易に想像できます。)
もしかするとお母さんはミナミさんを手元に置いておきたいのかもしれません。
ミナミさんが早く親元から離れ、独り立ちをするのが結婚への近道だと感じました。

ミナミさんはどこまで考えていたのか

疑問が残るのは、『ミナミさんがどこまで考えてテレビ出演を決断したのか?』というものです。
ただなんとなくという気持ちで出演したのかも知れません。
しかし、『出演したことで条件のいい男性から申し込みが来るかも知れない』と考えて出演を決めたのであれば強いです。結婚できる可能性が一気に増します。


ミナミさんが結婚できる可能性の高い方法

大変失礼な物言いになりますが、ミナミさんはどうすれば結婚できるのでしょうか。
私はボーナスタイムに乗って短期間で押し切る戦法が最も効果的だと思います。
ザ・ノンフィクションは全国放送され、SNSでもこれだけ話題になっているのですからミナミさんを認知した人は百万人単位でいるはずです。
その中にはまさに婚活中の男性もいらっしゃるでしょうし、彼らの中にミナミさんに好意を抱いた男性もいるでしょう。しばらくお見合いできる頻度は増えるはずです。ボーナスタイムに突入しています。
『テレビに出演したこと』の知名度を活かしてお見合いを組みまくれば、成婚できる可能性も増えるはずです。
しかし人の噂も七十五日、このボーナスタイムは長く続かないと思います。半年もすれば殆どの人は放送があったこともミナミさんも忘れてしまうでしょう。
注目される今こそ活動に力を入れるべきだと考えます。

逆に一番もったいないのは、エゴサーチをしてネットの意見にショックを受けてしまい、活動をやめてしまうことです。
辛い意見が目に入ってしまうかも知れませんが、ぜひ活動をしてハッピーエンドに下もらいたいと思います。
婚活はとにかくメンタルが大事なので、このボーナスタイムを活かしてそのまま押し切ってほしいと思います。

長谷川さんについて

長谷川さんには是非幸せになってほしいです。
顔は隠れていましたが40代資産家、身長スタイルヨシ、頭髪問題ナシ、性格良好だと思いますので、このまま活動されて良縁に巡り合ってほしいです。
アクセサリーにメッセージカードを添えてプレゼントしたり、イヤリング探しにすごく骨を折っていたのを見て良い人だなと思いました。

植草さんについて

最後にもうひとりの主人公である婚活アドバイザーの植草さん。
彼女の相談所の担当コースは入会金約25万、利用月額3万、成婚料約35万となっており、ネットでは高すぎるという意見がチラホラありましたが、私は全くそうは思いません。
放送用なのかもしれませんが、ミナミさんやその他の担当している人に対して親身に相談に乗り仕事時間外でもLINEやメールを続けるのは大変でしょう。
食事以外はすべて仕事というのも頷けます。決してAIでは代替できないお仕事だと思うので、これからもご活躍を続けてほしいです。

なぜネットで話題になったのか

今回のザ・ノンフィクションが話題になったのは、いろんな見方ができること、議論の余地が多数あることが要因だと考えます。あとツッコミどころ。
ミナミさん目線、植草さん目線、長谷川さん目線からの感じ方。そして放送されなかった情報がいくつかありまして、あーだこーだ意見を言いやすいんですよね。
それが婚活という絶対的な答えが存在しないジャンルなので盛り上がっているのでしょう。私もこの盛り上がりに参加したいと考えて拙文を投稿させていただきました。