コロナ禍で絶望的に進んだ少子化

先日、こんな本を買いました。
「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 結婚・出産が回避される本当の原因」

数十年以上検討され続けている少子化問題、その前段階である結婚・婚活問題にも言及されている本で、婚活関係のnoteを書く上で大変勉強になりました。
出版されたのが比較的新しく2020年5月なので、新型コロナについても触れられており、あとがきによれば、もしかしたら少子化が改善されるかもしれないとのこと。


新型コロナの影響で、少子化が解決される可能性があるかもしれない。
どういうことでしょうか。
噛み砕いて引用させていただきますと、

巣ごもりで家にいる期間が長くなり、子どもを作る時間ときっかけが増えるかもしれないからだ。
来年(つまり2021年)の前半ごろには2021年の出生数が判明するので、コロナが少子化に及ぼす影響がわかるだろう。

というわけです。

書かれたのが第一回の緊急事態宣言時あたりだったと思われるので、その段階では新型コロナが出生数にどんな変化をもたらすかが全くわからなかったわけです。
2021年の前半になぜその年の出生数が判明するかというと、妊娠→出産まで時間がかかるので、年の途中でもある程度正確な出生数が予測できるそうです。

そして現在は21年の6月です。
今年の出生数の推計が新聞雑誌の記事で報じられるようになりました。
その数なんと75~76万人程度。
この1年で壊滅的に少子化が進行しました。

従来の予想では、少子化は緩やかに進むものと考えられていまして、出生数が75万人程度に減るのは2039年頃と予測されていたわけですから、20年近く一気に少子化が進行してしまったわけです。

コロナの巣篭もりで少子化が改善するという希望は実現するどころか、過去最悪レベルの悪化という形で実現してしまいました。
考えてみれば、出生数が増えそうな要素よりも下がりそうな要素のほうが盛り沢山だったわけです。

・一時報道されていた新型コロナの母子感染のリスク
・コロナ休業やコロナ倒産
・大企業での早期退職募集
・異性との出会う機会の減少

まとめるのならば、安心して出産・育児ができるような社会情勢ではなくなってしまったわけですね。
生涯未婚率の上昇に加え、結婚したとしても子どもを作らない夫婦も増えてくると考えられます。(晩婚化、教育費の高騰、将来を悲観など)

1日も早くコロナが収束し、安心して子供を産める日々が訪れことを願うばかりです。