いちにち

マンションのベランダから見渡す
今日の空はとても綺麗で
清潔なにおいがする。

煙草を吸いながら
流れる車、自転車、ヒトを眺める。
みんな働いている。

私は働いていない。
会社からお休みを貰って、
だけどお給料を貰って、
生きている。

太陽が昇って
会社の人たちが一生懸命に働いている間は
外に出ることが憚れる。

太陽が沈んで
みんなが自分の暮らしを始める頃、
私はやっと息ができて
外に出ることが出来るようになる。

少し肌寒くなった頃、またベランダに出る。
星が眩しくみえる。
街灯に照らされ、夜風に揺られる木が見える。

暗い夜道に涙が吸い込まれていく。
一緒に吸い込まれそうになる身体を抑えて
ただひたすらに考え、涙し、落ち着くのを待つ。

そうして1日が終わる。

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