私の原点
2007年から毎年参加していた、韓国のMullae Art Festival、2012年に撮影したものです。
今でこそバンドネオンソロをライフワークとしているけれど、この当時、まだまだ日本では私のスタイルは受け入れてもらえなかった。
技術的に未熟だった。というのが大きな要因であることを除いても、バンドネオンでオリジナル曲を弾く、即興をする、パフォーマーとコラボする、と言っても理解してくれる人は本当に少なかったのだ。
バンドネオンソロは楽器の構造上、特別なジャンル、と言っていいほど難しい演奏スタイルでもある。
逆にいうと、バンドネオンの魅力を存分に聴いてもらえる、とも言える。
が、考えていることに技術が追いつかないジレンマと、受け入れてもらえない辛さでもう、やめてしまおうかと本気で思い詰めた。
そんな時、たまたま東京でコラボした韓国人ダンサーに共演を依頼され、初めて韓国に行った。
このフェスは、立ち退きを迫られている町工場が密集している、半ば廃墟化した地域で開催されていた。
その立ち上げから関われたことを、本当に幸せに思う。
そして、韓国だけれなくヨーロッパや他アジア諸国、アフリカ、などなど様々なアーティストが集っていた。
そして私は、「はろー」しか喋れない状態でそこに飛び込んだというわけだ。
キムチ。
焼肉。
マッコリ、ソジュ。
韓国のアーティストたちは、熱かった。
何かを根本から作り上げていく力強さと泥臭さ、その反面、最先端のことを良いと思えばどんどん取り入れていっているしなやかさを感じた。
そう。
勇気を出して一歩外に出たら、世界にはめちゃくちゃ面白い人たちが、たくさんいるんです。
どんぐりの背比べを苦しみながらしなくてもいい。
ぽーんと。飛び出てしまえば新しい世界が広がっている。
この動画に登場するアーティストたちとは今でも親しくしている。
3〜4月のアジアツアーも、彼らの企画協力だった。
そして、親友、故Celine Bacqueともこのフェスで繋がったのだ。
私の原点。
撮影、編集:脇田敏靖(Studio Maili)
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