2018.10.14 Encuentro con Anibal Troilo 日本ツアー最終日@横浜 ひまわりの郷ホール
演奏が終わったら自分にとって過去のものになるので、振り返るより次にやりたいことで頭がいっぱいだからだ。
しかし演奏活動が全くできない今、コンサートの写真や動画を改めて見直すことは、自分にとってとても大事なことだ。
それは胸を掻き毟られるように辛いことでもあり、逆に、懐かしく、幸せな記憶でもある。
2018年のこのコンサートツアーは私にとって特別な経験だった。
2016年、福島県川俣町でのコスキンエンハポンで生徒とのユニット「小川紀美代と蛇腹隊」で代表選考会で優勝、アルゼンチンへの切符を手に入れる。
2017年、コルドバ州でのアルゼンチン最大の音楽祭「コスキンフェスティバル」に日本代表として出演。
この時のアルゼンチンへの旅は一生忘れられないものとなり、数々の出逢いがあった中で伝説のマエストロ、アニバル・トロイロのお孫さんであるフランシスコ氏との音楽を通じての深い交流は特別なものだった。
帰国後、トロイロの命日に手向けたオリジナル曲「5月18日」をきっかけに、アルゼンチン国立博物館に所蔵されるトロイロのバンドネオンでのブエノスアイレスレコーディング、そして翌年、フランシスコ氏が来日、その貴重なバンドネオンでの日本ツアーを敢行した。
ここまでの道のりは、簡単なものではなかった。
「タンゴショーのような商業的な収益が見込めない」
「内容がアカデミックすぎる」
などの理由で一般的な企画事務所や業界からの協力はほとんどなく、約二週間のツアースケジュールは全て、私の周囲の人脈でセッティングした。
この規模のツアーを個人で実施するのは想像以上に大変なことだったけれど、周囲の信じられないほどの協力体制の中、奇跡的にすべての公演をやり遂げることができた。
今、この動画を観ながら、涙が止まらない。
この会場にいつ人たち全てが、「音楽」で強く結ばれているのを感じるからだ。
「音楽」にはそれほどに素晴らしい力がある。
それを忘れないよう。
それを失わないよう。
この笑顔をまた、見られるよう。
日々出来ることをコツコツとしていくつもりです。
この動画は約2時間です。
(撮影・編集:豊崎竜信、豊崎光一)
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