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U16ジュニアオリンピックへの道・1

2023年8月。

全日本中学校陸上競技選手権大会、通称全中を逃した夏。

落ち込む暇はなく目標は秋の全国大会へと照準を変え、締め切りまでの9/5までにジュニアオリンピックの標準を突破しなければならないことになった。後数回の試合でそれが実現できるのかは、全中には出られると信じていた私にも正直分からなかった。U16ジュニオリの走幅跳参加標準は全中よりも5cm高い。全中6m55cm、U16ジュニオリ6m60cm。

けれどそれを固く信じて疑わない息子だけは「絶対に行く」と強気の言葉を言い続けていた。「待ってろ愛媛!」

締切まで1ヶ月。出られる試合を三つ組んであった。

全中に行ければ、エントリーするも行かない予定であった試合。一つ目は疲労が抜けきらなかったせいか、不発。彼のメンタルも上がっているようには見えなかった。風に煽られた髪はボサボサ、美容院に行かなければ。競技場の前で恒例の記念撮影をしながら思う。

2度目の挑戦は、知った顔に囲まれてそれぞれが同じ目標に向かって跳ぶ。出来るだけ遠くへ。それだけ!

三本跳んで決勝に進み、残りは一本。しかし記録はジュニオリ標準には遠く及ばない。動画を撮ることに集中していたので、マイナスの気持ちは浮かばなかった。画面を通し動画でも見ているような、現実感がないとでも言うべきだったか。最後の跳躍が終わった試合後にその時の心境を聞いたのだが、最後の一本は追い込まれた瞬間から楽しくて仕方がなかったと言う。
その気持ちに上手く乗ることができたのだろう、無事標準を突破。風も追い風参考とならず、私の涙も無事嬉し涙となった。

翌日に控えていた最後の試合も出ることなく休息日となり一安心。中学3年最後の夏は、夏期講習や宿題を抱えながらの試合であり、高校見学会や部活体験参加にと忙しい日々で過ぎ去ったが、まだまだ陸上部は引退とはならず。

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