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サーチフィー投資提案書の使い方

伊藤公健 | サーチファンド・ジャパン代表取締役

先日当社のサイトで公開したサーチフィー投資提案書のひな型、おかげさまで大きな反響をいただいています。サーチ活動を目指す方の道しるべになれば幸いです。‍

サーチフィー投資提案書ひな型公開

https://www.searchfund.co.jp/archives/20210827

公開したひな型は、もともとは米国で教科書的に扱われているひな型を参考にしています。オリジナルのひな型を参考に提案書を作成し、私のところに相談に来られる方も少なくないのですが、ひな型をうまく使いこなせていない方もいらっしゃる印象があります。

せっかく公開したひな型、うまく使ってもらいたいと思い、私なりに思う使い方のコツを書かせていただきます。

ひな型はあくまでひな型。コピペはやめましょう

うまく使いこなせてない例のほとんどが、「ひな型」そのままコピペした提案書を作成してしまうケースです。元ネタのひな型はよくできているので、コピペすれば一応それっぽい資料ができてしまいます。

ターゲットとする企業は、成長産業で、ストック型の安定売上があり、EBITDAマージン15%以上。
日本の中小企業の数は○○万社、跡継ぎのいない黒字企業は○○万社以上とマーケットは大きいので、ポテンシャル大。
中小企業には基礎的な経営手法に課題のある企業が多く、MBAで得たスキルを活用すれば改善余地大。

それはそうかもしれませんが、そんな内容を書ける人は大勢いるので、「他の人にも書ける戦略で、なぜあなたが勝てるのか?」「他の人にはできないけど、あなただから投資として成り立つユニークなターゲットは?」といった個性や違いを話してくれないと、説得力が弱いなあと思ってしまいます。

今回作成・公開したひな型には、この点を意識してコメントを付記したつもりです。内容もあえて書きすぎないようにしました。構造や骨子は参考にしていただきつつ、本質的な中身についてはコピペしても意味がないですので、ご自身ならではの提案書になるよう意識されるとよいと思います。‍

一方で、個性的で説得力のある提案書に仕上げるのは、相当ハードルが高いとも思います。実際サーチ活動を独力でやろうと思うと、それだけハードルが高い活動だということです。そんなに甘いものではありません。

投資提案書のひな型を作成・公開した背景には、そもそも難易度の高い活動だという認識をしてほしいという思い、また難易度の高い依頼書を考えるプロセスを通じて、ご自身の強みを明確にしたり、今後身に着ける経験の道しるべにしていただきたい、という思いも込めています。‍

高いハードルを一緒に乗り越えられるパートナーを見つけましょう

幸いなことに、サーチャーを支援する組織は日本でも複数登場しています。それぞれ様々な支援の仕組みを取り入れ、オリジナルの米国式の仕組みを参考にしながら日本の実態に合った工夫がされています。

我々サーチファンド・ジャパンは、現時点でこの提案書を書ききることは求めていません。サーチファンドにチャレンジするすそ野を広げるために、M&Aの知識やネットワークがなくとも経営者として活躍できるポテンシャルを重視してサーチャー選考を行っています。

サーチャーには、M&Aの専門家ではなく、経営者として活躍することを期待しており、経営者としての準備に集中していただけるよう、特にソーシング/M&A実行前のプロセスを中心に、非常に強力なサポート体制を組んでいます。

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どの投資家のサポートの仕組みにもメリットも課題もあり、正解はありません。サーチャーを目指す人は、ご自身の経験や志にあった、相性の良い投資家を見極めることが大事だと思います。米国式に近いチャレンジのための提案書を書きながら、自分に合ったサーチ活動のやり方やパートナーを見つけていただければ嬉しく思います。

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サーチフィー投資提案書のひな型はこちらhttps://www.searchfund.co.jp/archives/20210827

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伊藤公健 | サーチファンド・ジャパン代表取締役
サーチファンド支援の実態や思いを発信しています。 マッキンゼー、ベインキャピタルを経て、日本初のサーチファンド活動により中小企業のM&Aと経営を経験。2020年10月にサーチファンド・ジャパン設立 https://searchfund.co.jp/