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君羅文庫

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毎日一冊の本を紹介するマガジン「君羅文庫」 その日読んだ本の中から記憶に残る一文を書き出して感じたことを綴ります。
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#エッセイ

『スクリーンが待っている』 西川 美和  #君羅文庫

西川美和監督の『永い言い訳』という映画がありまして、大好きな深津絵里さんが出演するということで見たんです。 この映画では、深津さんの表情だけでさまざまなことを語る演技に魅了されたのは言うまでもないのですが、それ以上に主人公の本木雅弘さん演じる衣笠幸夫が見せるいろんな人間性に引き込まれました。 あれっこの人間くささを見る感覚どこかで感じたことあるぞ?と思っていたんですが、この『スクリーンが待っている』を読んでいて思い出しました。是枝監督の『ワンダフルライフ』という映画です。

『いつか中華屋でチャーハンを』 増田 薫

町中華に食べに行って、せっかく来たし、いつもは頼んだことないの頼んでみようかなぁと思ってメニュー見たけど、結局チャーハン頼んじゃうって人は、この本で中華屋の別世界を知ることできると思います! 著者の増田さんは、友人の何気ない一言から中華屋のラーメン・チャーハン以外のメニューが気になりすぎて、いろんな地域の定番以外の料理を食べるようになります。 定番以外の料理をただ食べるだけじゃなくて、そのルーツも探っていきます。なんで広島の天津飯は「あんかけ」たっぷりなのか?どの店が神戸

内田百閒『御馳走帖』

好きな和菓子は?と聞かれれば「すあま」と答える。 先日、仕事を早く終わらせた帰りに駅前の和菓子屋で団子でも買って帰ろうとすると「すあま」が並んでいた。 団子とは一線を画すフォルムに一際目を引くピンク色。 食べれば上新粉のもちもちとした食感に、ふんわりとした甘さが優しく感じる。 すあまとの久しぶりの再会を喜び、家族用の団子とは別に、自分用に一つすあまを買って帰った。 すあまとの出会いは、祖母が買ってきてくれたお土産だったろうと思う。 緑茶が大好きな祖母は、お供となる