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2月15日:種はないけど、あるべき自然の姿がここにある<バリ島が教えてくれた365個の幸せ>

ある日、スパイスのクローブの木を植えたくて、スタッフに「クローブの木の種ってどこで売っているの?」と聞いたら、「え?種?なんで?たぶん手に入らないと思うよ」と言われてびっくりした。

バリ島には、「種」というものがあまり売っていない。種から食物を育てることをあまりしないのだ。


そもそも、種を採取するのって、手間暇がかかる。バリ島では、そんなことをしなくても、苗や木をぶすっと土に刺すだけで、植物はしっかりと根付く。

庭先や道の花や植物をちょっと切ってもらったりしても、あまり誰も文句を言わない。むしろ、「ありがとう。すぐモジャモジャになるから、切る手間が減ったよ。」とか言われたりする。

バリヒンドゥーのお祈りやお供物には、お花が欠かせない。そのお花も、隣近所のおうちの庭に生えている木から拝借する。

さんさんと降り注ぐ太陽、じゃんじゃん降る雨。バリ島では、地球の恩恵をうけて、自然は所有権を失い、みんなのものとなる。それこそ、もともとあった、自然のあるべき姿だと思う。



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バリ島に住んで5年の月日が経ちました。コロナ禍で観光経済が壊滅したり、過剰開発で環境が破壊されたりひどい渋滞が起こったり。そんな現状を目の当たりにしながらも、バリ島に暮らす人々は、いつも明るく笑顔で、とにかく幸せそう。

-悪いことは悪霊のせい
-人と神様と自然の調和が大切
-貯金はしない

なんでだろう?と探っているうちに、バリ島に根付く「トゥリ・ヒタ・カラナ」という哲学に辿り着きました。「神と人」「人と人」「人と自然」の調和を重視することで、人々は幸せに過ごし喜びを感じることができるという考え方です。

その哲学がしっかり根付いているバリ島の日常にこそ、幸せのヒントたちが落ちています。ここに住まわせてもらっている議事録もかねて、バリ島が教えてくれた365個の幸せを綴っていこうと思います。

メイン画像:UnsplashCemre Akçalが撮影した写真