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その適応力の高さが思わぬ落し穴に

今からちょうど5年前のことです。

収入を得る方法・手段と生活スタイルの両方を全面的に造り替えようと思い、その一つとして「引越し」をしました。

前の住まいとはローカルな私鉄で2駅。歩いてもわずか15分ほどの距離。
住まいの広さも、さほど変わりません。
付き合っている友人・知人も特に変わらないし、行きつけの飲み屋さんも同じです(^^)

つまり、一見すると大きな変化はないように見えるのですが……
実はこの引越し、とても大変でした(^^;)

30代初めに実家を離れてから、これまでの引越し歴6回。
ある意味では、馴れたものです。
でも、今回は特別、だったんですね。


なぜかというと、全面的にライフスタイルを変えること、にフォーカスを置いた「とても意識的な引越し」だったから。

それまで使っていたものや、持っているものを全部捨てて、全部買い替えるんだったら、人生刷新もある意味では簡単でしょう。

でも、今回は、家具も所有物も使えるものはそのままでのリニューアル。
だから、結構、創意工夫が必要になりました。

つまり、手持ちのパーツを全部ば~~っと並べて、それを一から、というよりゼロから、まったく別のものに組み立てなおす、そんな作業です。


まず、どの収納家具をどんな目的で使うか。
そのためにはどんな配置がベストなのか。
どの棚に何をどう納めれば便利か。

そんなことを設計図を作るような感じでデザインしてから、段ボール箱の中身を納めていくのですが、なかなか設計通りにはいきません。
(そもそも想定よりも荷物の方が多い!)

そのたびにイメージを修正し、取り出しては入れ直し、という作業を繰り返して形にしていくわけです。

荷物をただ旧宅から新宅に移動させただけではないので、ホント、手間暇かかります。
「こうしたい!」っていう、しっかりしたイメージが必要だし、今あるものと条件で、できるだけそれを実現させる工夫も必要です。

だから、とても、時間がかかります。
エネルギーもかかります。
ゆえに、なかなか進みません。
いつまでも部屋のなかが段ボール箱の山……(-_-;)


でも、人間ってね、ホント不思議。

慣れちゃうんですよ、それ(つまり段ボール箱の山)に。
1週間、2週間と日が経つにつれて、
そこに箱が置かれている、その状況が当たり前になる。

ビックリですよね、ヒトの適応力!

不便な状況や、不快な状況、環境。
決して望んでいるわけではないことなのに、それが続くと、その不快さや不便さに慣れてしまって、次第にそれを意識しなくなっていく……。

生物として生き残るために、この適応能力は必須です。
どんな状況下でも、それを受け入れて適応して生き延びる、生命戦略として当然のこと。

でも、これが、逆に「落とし穴」になるわけです。

つまり――

望まぬ状況を我慢しているうちに、それを意識しないように適応する。
自分の環境を変えようという気持ちが薄れていく。
そういう「マイナスの適応」が起きてしまうわけです。

これは脳のデフォルトなので、放っておくと誰でも自然にこうなります。
(わたしだけが特にだらしないわけじゃないからね!)

もちろん私は決して、段ボール箱に囲まれて生活したいわけではありません。
でも、ずるずるとその状況に引きずられて、手間暇かかる片付け仕事をつい先延ばしにしていたんですね。

そしてこの「マイナスの適応力」が発動しているなら、一日も早くそこから抜け出すように、手を打つことが必要です。
なぜなら、日を追うごとに「慣性の魔力」がより強力になってしまうから。

で、この引越し後の片づけは、結局まるまる3ヶ月を要して、なんとか望む形に収まりました(^^;)

あなたには、こんなことはありませんか?

不本意なのにずっと我慢していること。
仕方ないかなと目をつぶっていること。

ヒトは生来的に変化を避けます。
(これも脳のデフォルトです)

意識的に動かない限り、状況に流されます。
一度クセづいてしまった習慣を書き変えるには、それなりのエネルギーや工夫が必要です。

もし、心当たりがあるならば、できるだけ早く、そこから抜け出す行動を始めましょう。

あなたをそこに引き留めようとする力は、あなたがそれを変えようとしない限り、日々一刻一刻、ひっそりと力を増していきますよ。

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