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君の知らない顔を見た日

毎回「推し(便宜上)の現場だ〜!」と思うけど『顔出す仕事じゃないべ?』とも思う。

とはいえ、ステージの上では努めて楽しく、明るく、大きな声。お芝居したり、進行したり、ガヤを入れたり、歌ったり、踊ったり、コントしたりする。

ラジオやイベントの時にすぐ反省会することもあるけど、でもそれ以上に盛り上げたり、勝負どころで勝ちにいこうとする。顔が大好きだけど、そういうところはえらく仕事してるなと感心してしまう。

 


今日は楽しみにしていた日。
何年もやっているお笑い芸人役コンテンツの締めみたいなイベント。お笑いがベースなのでコント漫才何でもありのサドンデス戦。1回戦で負けたら終わり。

くじ引きで決まる出順。
いつも通りみたいな雰囲気だけど、耳まで赤くなってからずっと赤いままでこっちまで緊張する。
トップバッターになる推しのコンビ。あんなに嫌だと唱えていたのに。
ネタは今までの積み重ねを踏襲して組み込んでいた。過去を追って、コンテンツに付随する色々なものに触れていたら『あぁ〜!いいね!』と思うよ。でも、初めて見た人は純粋に“面白い”を選ぶだろうし。


結果は、惨敗。1回戦敗退。
惜敗でもない。1/5票も入らなかった。


しっかり相手を見て話を聞くし、コメントもしっかり言うし、勝った相手にちゃんと拍手も送る。でも、そんな顔するんだ。現場に通う数は多くないし、ずっとずっと追いかけてるわけじゃないけど、そんな顔初めて見た。


出てくるたびに言葉にできない顔をしていた。
どうにか言葉で表現するなら悔しいなのだろうか。本人じゃないからわからない。遠くを見ているのか。どこを見ているのか。何もわからない。


最後までずっと初めて見た顔をしていた。
どんなに顔が好きでも「悲しそうでも顔がいい」「悔しがっていても顔がいい」なんて出てこなかった。ただただ呆然としていた。


現場終わり。
ツイートに“めっっっちゃ悔しかった”と書いてあった。あの表情の答え合わせができた気がした。
そのときに思い出した。
2年前の今回と同じコンテンツの夜の部で「これで負けたら泣くかと思った!」と話していたこと。負けず嫌いだったね。

初めて見た顔をきっと忘れない。
客席から推しの成功を願っている。



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