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関西人は打ちっ放しよりラウンド志向@プレイバック!データで見る関西人気質

Playback 20 years ago
プレイバック!データで見る関西人気質

(まえがき)
およそ20年前、とある夕刊紙に連載させてもらっていた署名原稿を要約・編集して紹介しています。当時とは世相が異なるため、???な内容やNGな表現があるかもしれません。ちょっとした話のネタとして読んでいただけるとうれしいです。


第7回 ゴルフ場
関西人は打ちっ放しよりコースで!

関西人はゴルフ好きである。その熱中ぶりは全国一と言っても過言ではない。今でも関西圏のゴルフ場では、バブル絶頂期ほどではないにせよ、日曜日ともなれば常に満杯状態とか。高いプレーフィーを払って早朝からコースへ出かけるなど、まさに「ゴルフ好き」の確固たる証拠である。というわけで、今回はゴルフ場にスポットを当てて、関西人のゴルファー度を探ってみたい。

「1903年、六甲山に造られた『神戸ゴルフ倶楽部』が日本におけるゴルフ発祥の地。だから歴史的に関西はゴルフと密接な関係があったんやと思います。コースを造ったのは英国人でしたが、おそらく日本人で初めてゴルフをしたのは、関西の人間やったんとちゃいますか」と語るのは、兵庫県加東郡にあるBゴルフ場のK支配人(当時)。歴史的事実からして、関西人のゴルフ好きがすでに証明されているわけである。

では、次に現代のゴルフ事情を考えてみよう。別掲の表1は都道府県別のゴルフ場数である。ここで注目していただきたいのが、第2位の兵庫県。今でこそトップの座は北海道に譲っているものの、ほんの数年前まではまぎれもなく「ゴルフ場数日本一」は兵庫県だったのである。


(表1)都道府県別ゴルフ場数
第1位  北海道  171
第2位  兵 庫  151
第3位  千 葉  143
第4位  栃 木  131
第5位  茨 城  121
※ゴルフダイジェスト社編「98年版全国ゴルフ場ガイド」より抜粋
 1997年10月現在の施設数(全国2239)


「中国自動車道の沿線を見てみいな。ゴルフ場の看板だらけやで。大阪市内から1~2時間圏内にこれだけゴルフ場があるんやから、ぼくらゴルファーにとってはホンマに便利ですわ。しかも、歴史を誇る名門コースからバブル期に開場した豪華なコース、安くプレーできるパブリックまで、よりどりみどりや」と語るのは、大阪市浪速区で鉄鋼所を経営するWさん(51歳)。

確かに、中国自動車道沿線にはゴルフ場が多い。だが、ゴルフ場が多いだけで関西人が全国一のゴルフ好きとは言えない。そこで、表2の分析である。こちらは都道府県別のゴルフ練習場数。で、兵庫県を探してみると…。トップ5はおろか10位にも入っていない。


(表2)都道府県別ゴルフ練習場数
第1位  東 京  380
第2位  北海道  329
第3位  愛 知  319
第4位  神奈川  259
第5位  千 葉  245
※同上
 1997年3月現在の施設数(全国5233)


「ゴルフゆうのは、広々としたコースを攻略してこそ面白いんですよ。鳥カゴみたいな、あんなせせこましい練習場でナイスショットしたかて、なんも楽しいことないでしょ。ゴルフはゴルフ場でプレーするもんです。だから、練習場なんて少なくてもいいんです」と、神戸市灘区で歯科医院を開業しているAさん(38歳)は言う。

気軽にラウンドできないから近場の練習場でお茶を濁している関東。一方、本当の「ゴルフ好き」だからこそゴルフ場をたくさん造り、いつでも楽しめるようにしている関西、ということである。これまで紹介してきた関西人の気質を考えると、妙に説得力のある理屈ではなかろうか。


(あとがき)
松山英樹プロがマスターズ優勝!昨年は渋野日向子プロが全英女子オープンで優勝。国内ツアーも黄金世代やプラチナ世代、ミレニアム世代の活躍で盛り上がっています。一方、コラムの方はずいぶん好き勝手なことを書いていますね。言うまでもなく、練習場でしっかり練習してラウンドするべきです。ただ、兵庫県は現在もゴルフ場数で第2位であり、関西人がゴルフ好きなのは、20年前となんら変わっていないようです。


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