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大阪人はコンビニに魅力を感じない!?@プレイバック!データで見る関西人気質

Playback 20 years ago
プレイバック!データで見る関西人気質

(まえがき)
およそ20年前、とある夕刊紙に連載させてもらっていた署名原稿(本名名義)を要約・編集して紹介しています。当時とは世相が異なるため、???な内容やNGな表現があるかもしれません。ちょっとした話のネタとして読んでいただけるとうれしいです。


第14回 コンビニエンスストア
大阪人にはコンビニって魅力ない!?

食いだおれの大阪、履きだおれの神戸、着だおれの京都。とかく関西人は一点豪華主義といわれる。一方、日々の買い物に関しては徹底して無駄を省くのはもちろん、必要なものでもとことん切り詰める。これぞ関西流お買い物の極意。というわけで、今回は東西お買い物事情を探ってみたい。

用意したデータは、もっとも身近なお店であるコンビニエンスストア。20年前に誕生して以来、あれよあれよという間に増え続け、今や5万店を数えるまでになったコンビニ。表は、総務庁統計局「統計で見る都道府県のすがた」より抜粋したコンビニエンスストアの数である。が、一見して不思議な現象に気づかれた人も多いだろう。


(表)都道府県別 コンビニエンスストア数
第1位  沖 縄  88.0店
第2位  北海道  59.9店
第3位  宮 城  51.9店
第4位  山 梨  51.9店
第5位  富 山  46.9店
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第43位  和歌山  26.1店
第44位  大 阪  25.8店
第45位  滋 賀  25.4店
第46位  兵 庫  24.1店
第47位  奈 良  19.9店
※総務庁統計局「統計で見る都道府県のすがた」より抜粋
 (人口10万人当たりの店舗数)


なんと、関西の1府4県が下位に集中しているではないか。京都とて34.6店の第34位どまり。ちなみに、関東を見てみると栃木が第7位(45.0店)、群馬が第11位(43.0店)、東京第12位(42.9店)となっている。確かにこれらの数字は実数ではなく、あくまでも10万人当たりの店舗数である。だが、なぜ関西にはコンビニが少ないのだろうか?

答えは簡単、関西人にとってコンビニはあまり魅力的ではないからである。大阪市大正区に住む会社員のOさん(38歳)は「コンビニって中途半端なんですわ。市場や商店街みたいに安売りはやってないし、バイトのにーちゃんに交渉しても値切られへんでしょ。それにスーパーマーケットほど品ぞろえもようない。夜中でも開いてることぐらいしか、メリットはないんとちゃうかなぁ。ようするに、しかたないからコンビニに行くんです」と、価格、品ぞろえに対する不満を語る。

一方、首都圏から単身赴任で大阪に来ているNさん(42歳)は「コンビニにはお世話になっていますね。私のように独り暮らしをしていると、その便利さっていうかパーソナルな感じがいいんです。お店はいつも清掃が行き届いていてキレイだし、店員さんも礼儀正しいし、置いてあるものだって間違いないものばかりだし…。まさに、ちょっとした買い物にはピッタリじゃないですか」と反論。

これこそ、東西の買い物に対する気質の違いである。東京人は品質よりも機能や見栄えにこだわり、大阪人は品質を重視したうえで、さらにじっくり値踏みする。また、どれだけ高い買い物をしたかを吹聴する東京人に対し、高いものをどれだけ安く買ったかを自慢したい大阪人。それが関西にコンビニの店舗数が少ない要因ではなかろうか。いずれにしても、コンビニのフランチャイズ本部の方は、関西流お買い物の極意をよくご存じのようで…。


(あとがき)
20年前は、夜中でも開いているという「便利さ」だけがメリットだったコンビニエンスストア。ところが、現在はお弁当やおにぎりをはじめ、スイーツも、揚げ物も、個包装のおかずも、まさに「コンビニとは思えない」ほどのクオリティーを提供してくれています。それなのに、関西人はやっぱり定価販売のコンビニより、おつとめ品・赤札・見切り品・お買い得品のあるスーパーや商店街の方が好きなんですよね。関西流お買い物の極意は、今も健在のようです。


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