玲愛と勇介との出逢い⑥
玲愛と勇介との出逢い⑥
チェックアウトからのカフェの時間、それはゆっくりとした時間が過ぎて行くように...
カフェでお茶をしながらたわいもない話をしている勇介と玲愛
『玲愛さんと連絡も取り合えたから気軽に連絡し合えるね。』
『何かありましたら気軽に連絡して下さい』
『ありがとう!玲愛さん帰りの新幹線の時間はこの時間にする?』
『(勇介さんのスマホを見て)私は大丈夫です、お時間的に勇介さん大丈夫です?』
『俺は時間大丈夫だから、じゃあ決まりだね』
『勇介さん?ここには出張で良くお使いになるって仰ってましたね』
『そうそう、京都に来る時は殆どここを使うんだ、駅から直近だから』
『玲愛も京都旅行ではここしか知らなくて』
『移動にも凄く便利でしょ?』
『とっても便利です』
玲愛さんの顔はリラックスしている、この時間をとても楽しんでくれてるのであれば俺は嬉しい。こうして話してるうちに昼の時間が近づいている、この時間を玲愛さんが思いっきり楽しんで欲しい、そんな思いを俺は心に思って...玲愛さんに食べたいものがあるか聞く
『食べたいものですか?』
『そう希望があれば...』
『勇介さんのお勧めのお店があるのでしたら』
『京都の食材を使ったおばんざいのお店なら知ってるよ』
『そのお店に行ってみたいです!お願いして良いですか?』
『決まりだね、行きましょう』
玲愛と勇介はおばんざいのお店へ...移動中も会話をしながら勇介は玲愛の歩く歩数に合わせながら歩いて向かった
『私に合わせて下さりありがとうございます』
『玲愛さん気遣いはなしね、甘えたい時は甘えようね』
『勇介さん...』
『どうしたの?』
『ううん(玲愛の心を暖かくして下さる)』
勇介は、隣にいる玲愛を気遣いながら言葉をかけて、玲愛を見ると少し目を潤ませていた。店に入り、落ち着く空気感に玲愛さんは俺に言葉を伝えてくれた。『とても落ち着く雰囲気ですね』その言葉だけでこの店を選んで良かったと安心して、食べるものを俺も玲愛さんも決めて会話を楽しんだ
目の前のおばんざいに『玲愛さん食べて!優しい味だから気に入ってくれると思う』
俺と玲愛さんは親子丼を頼んだ。玲愛さんは『玲愛親子丼好きなんです』
『ここのはたまごがとろっとしてて美味いよ』
玲愛さんの美味しそうに食べてる顔を見ながら、嬉しそうにしてる姿に心の底から喜びを表してくれる彼女の自然な笑みに自然と言葉を返した
『いっぱい笑顔を見せてくれるなんて嬉しいなと思ってね』
『だってホントに美味しくて』
ゆっくりとした時間は、勇介にとっても玲愛にとっても癒される時間となりお腹を満たされる時間へと...帰る為駅へと歩いていく。勇介からの導きで手を差し伸べて...
『どうぞ(手を差し出す)』
『ありがとうございます(勇介さんの手温かい)』
駅に到着しホームへ、席は隣同士が取れ座って待つ事に...
玲愛は勇介にチョコを渡す
『ありがとう。あの時の繋ぐチョコだね』
『あのチョコです』
『(包みを開け口の中へ)あれ?これは違う味?』
『お抹茶味です』
ホームに新幹線が到着して2人は乗り席へ...勇介からの言葉でキャリーを乗せてもらう玲愛
『玲愛さんは窓側にどうぞ』
『ありがとうございます!でも...降りるのは玲愛が先です』
『いいからね!玲愛さんはここ』
『わかりました』
『(玲愛さんの手に重ねて)』
『勇介さん...』
『この方が安心するでしょ?委ねましょう』
昨日からの勇介さんからの言葉に心が穏やかになれるようになり、勇介さんからの言葉はとても不思議な魅力を感じて...
言葉がスっと心の中に、入って来て軽くなって行くのがとても不思議に思える。何でかしら?と問いかけるけど、答えは見つからなくて勇介さんが仰った
『縁に乗っかってみない?』その言葉を信じてみようと...
『勇介さん?玲愛少し眠ってもいいです?』
『どうぞ玲愛さん疲れたでしょう?肩を貸しますよ』
玲愛は勇介の肩に委ねるように眠って...
(玲愛さんは心が軽くなったのだろう...軽くなったからこその自然な姿に変わって)
彼女が目を覚ますまで俺は、ある尊敬する者からの言葉を思いだしていた。その言葉が今になって、あの時の事が生かされる事になるとは...
『勇介?いつかはこの言葉を思い出す事があるだろう。その言葉を思い出した時、その相手に手を差し出す事をしてあげなさい』
(懐かしいな...その方には時々連絡はするが、その言葉を口に出す事はなかった)
重ねている手が微かに動き、玲愛さんは目を覚まし...
『目を覚ましました?』
『少しすっきりしました、勇介さんはずっと起きて?疲れてませんか?』
『俺は全然大丈夫、玲愛さんこそ疲れてないかな?って心配はしてる』
『勇介さんからのお言葉が心に響いて少し楽になって来るんです...何故でしょう』
『俺は何も俺はただ...玲愛さんの笑顔が見たいだけ』
『勇介さん...』
(こんなに心配して下さるなんて、勇介さんの優しさがとても暖かくて玲愛ほんとに...好きになってしまいそう)
『一旦俺も新横浜で降りますね』
『そんな事をしたらお帰りが遅くなってしまいます』
『気にしないで少し話したいと思っただけだから』
(降りる準備)
『ありがとうございます』
『行きましょうか?(玲愛さんを気遣いながら歩いて)』
(席を立ち移動)
新幹線を降り玲愛さんをエスコートして...
『ありがとうございます』
『少し歩きましょう』
(勇介にエスコートして貰いながら歩いていると...)
『あら?玲愛ちゃんじゃない?』
『(振り向くと)麗華さんこんにちは』
『勇介久しぶりだな』
『渡部さんお久しぶりです、玲愛さん?知り合いの方?』
『勇介さん、麗華さんは玲愛が起業する前にお勉強させて頂いた先生で』
『始めまして麗華です』
『勇介?私から話そう!麗華は俺のコンサルの秘書をしながら女性の起業を目指してる方のコンサルもしてる』
『そうでしたか...此処でばったり会うとは不思議な縁ですね』
『玲愛ちゃんの彼氏さん?』
『旅行先で出逢って...』
『勇介にも出逢いがあったわけだな?勇介?今度時間作ってくれるか?その時は玲愛さんも誘って食事でもしよう』
『そうですね?玲愛さん時間作って下さいね』
『是非』
『勇介?この後予定あるからまたな』
『玲愛ちゃんまたね、勇介さん楽しみにしてますね』
『それでは失礼します』
『玲愛さんびっくりしたね』
『驚きました...』
『ひとつ縁を貰ったね。玲愛さんに感謝しなないと』
『それは玲愛も同じです。勇介さんにも先生がいたのですね』
『かなり厳しい先生でね、でもそれが今の俺に生かされてるから感謝しかないです』
『麗華さんには大変お世話になりました』
『今の玲愛さんは笑顔で溢れてるよ、素敵』
『え?』
『素直に受け取ってね』
『ありがとうございます』
『暫くは連絡取り合いましょう。玲愛さん?不安になったら何でも話してね』
『わかりました』
『玲愛さんリラックス出来てる?』
『とっても勇介さんのおかげです』
『大丈夫そうだね安心した、俺帰っても大丈夫そうかな?』
『途中下車ありがとうございました』
『玲愛さん約束ね(玲愛さんを抱きしめる)』
『ゆ、勇介さん...』
『無理はしないで』
(入線する放送)
『勇介さん』
『ほら泣かない約束(涙を拭う)』
『気をつけて』
『帰ったらLINEするから話そうね』
『はい』
勇介は新幹線に乗り、玲愛は勇介に手を振り
新横浜を出発した...
見送って玲愛は歩いてホームを後にしているとスマホの通知があり、それは勇介からだった
『玲愛さん、こんな俺だけど付き合ってください』
勇介さんからのメッセージにスタンプで返す
『ありがとう玲愛さん』
玲愛が家に着くまでやり取りは続いた
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