見出し画像

② お手並み拝見といきましょうか。

いつもありがとうございます。

2005年後半
***
さて、ひとりずつ、1対1の面談のはじまりです。

私はこの面談で、心が折れ、崩れていくのです。

「で、何の用?」
その社員さんは、とても個性の強いひとでした。

「はいはい。で、お嬢ちゃんに何ができるの?」

鼻で笑われるって、それまで経験したことなかったのですが
こんなにも涙がこぼれそうなことはなかったです。

(とにかく、オモニから継いだ会社のために、みんなのために頑張らなくちゃ)
(どうしよう。どうしよう。怖いなぁ。なんで怒なるの。。。。)
とにかく、頑張って何かを伝えたのでしょう。
内容すら覚えていないけど、必死に話したのは覚えています。

「ふんっ。お手並み拝見といきましょうかね」

と、その人は会議室を出て行きました。

(え、まだ面談終わってないんだけど。。。。)

あれ、私歓迎されていない?
あれ?みんな、社長になるべく人は貴女しかいない。
って、私にみんな言っていたよね・・・・・。

ここから、私は「嫌われないようにするにはどうすればいいか」
という、変なスイッチが入ります。

そして、

(なんでみんなやってくれないの?なんでみんな分かってくれないの?)

こんなことを思うようになってしまったのです。

私は大きな勘違いを、とんでもない間違いをしていることに、
このとき私は気付いていなかったのです。

自分の未熟さ、経営とは何かを1ミリも分かっていない自分ではなく
理解してくれない、何もやってくれない、みんな分かってない。

そう、自分でなく、みんながやってくれないからこうなんだ。
私だってこんなに大変なのに。

そんな未熟なことを、そのころの私は思っていたのです。

そんな私を支え続けてくれたみんなに、感謝です。

***
今は、社員たちとの「対話」を大切にしています。
特に大切にしているのは、相手の言葉を聞くこと。
否定をせず、まずは認め、褒め、肯定、賛同すること。

とは言え、まだまだ出来ていないことが多く、反省してます、。。。
この、「対話する」ことで私も鍛えられているんです。
本当にここまで来るのには、せっかちな私の性格のコントロールが大変でした。お世話好きなので、我慢するのも大変(笑)
この話は、いつか詳しく。

そして、
社員のみんなが、「提案」できる環境を大切にしています。
基本、ほとんどの提案は「やってみよう!」としています。
みんなちゃんと考えて準備しているのを知っているのと
やってみよう!というチャレンジ心を大切にしたいので。
(案件によっては、リーダーや幹部たちが承認しています)

こんなことしてみたい。
それを、誰でも提案できる、相談できる環境を
リーダーや幹部たちがその「声」を受け取り、私に提案してくれます。

いろんな提案や相談がありますよ〜!
どれも全て、素晴らしい提案です。
みんな、本当によく考えてくれていて
みんなの声「現場の声」って強いな、素晴らしいな、会社の財産だな、宝だなと思うのです。

***
数日前、K部長と私が社長になったばかりの面談の時のことを話しました。
覚えてるかな?と思ったら、
(よくよく、よ〜く覚えています。社長、先代亡くしたばかりで大変な中
 本当に大変なことを引き継がれたと思っていました)
と、遠くを見つめながら。

そして、二人で言葉には発しなかったけど笑い合いました。
あの頃を思い出し、笑い合ったのです。

いつか、笑って話せる日が来る。

とにかく、がむしゃらに必死にここまできたけど
諦めずにやってきて良かったと思う。

まだまだやらなくてはならないこと、できていないことは山ほどだけど。

***