絶対に笑ってはいけないパフォーマンス5選(動画リンク有)
笑えるのにカッコいい。
カッコいいのに笑ってしまう。
笑ってしまうほどカッコいい。
言い方はどれでもいいんだが、
アーティストにはそんなパフォーマンスを
魅せてくれる素晴らしいサービス精神の
持ち主が多数いる。
サービス精神というか自身の楽曲を
ステージで演奏すると計算などでなく
自然と奇妙な動きをしはじめる珍獣のような
人々だ。
今回はそんなアーティストたちの
ギリギリかっこいい笑えるパフォーマンスを
ご紹介させていただきます。
お楽しみいただければ幸いです。
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1.Arcarsenal / at the drive-in
00年代にメジャーデビューしたと思ったら
あっと言う間に解散してしまった
ポスト・ハードコアの雄。
演出なのかサウンドチェックなのか
わからないノイジーな弦楽器の音の波を
堰き止めるように打楽器の力強いタムロールが
響いた瞬間、スイッチオン。
ギターを背中に回した細身の男は
フラメンコのように手拍子しながらステップを
踏み始める。
そして、この左利きのギタリストは
ハードコアのお手本のような単音の
リフを弾きはじめると同時に人間離れした動きで
ステージを高速移動。
こうなってくるとギタリストというかダンサーだ。
ボーカルも負けじとばかりにマイクスタンドを
頭上に放り投げ、他のメンバーへの迷惑を顧みない
自由な獣のような本能むきだしの動きを見せる。
この暴れ上戸っぷりに引いてしまうような
ヘタレな客は置いていく勢いである。
私はこのバンドを初めて観たとき
「カッコいい!!」と叫びながらも
大爆笑した。
今回のテーマはこのバンドのために書いたと
言っても過言ではないので是非、動画を
再生していただきたい。
だからと言って私には一銭も入らんが。
2.Satisfaction / The Rolling Stones
81年のアメリカ・ツアーと思われる。
イギリスとアメリカの国旗を纏って
ステージに現れるミック・ジャガー。
決して歌がうまいとは言えない。
しばらくするとギターのキース・リチャーズが
演奏するのを止め「?」な動きをする。
なんとステージに上がってきた不届き者を
見つけ、ギターを武器に戦う態勢となったのだ。
セキュリティの厳しい会場では珍しいハプニングだがバンドのメンバー自らが対応するとは、これまた
珍しい。
そしてアホな子どものように国旗を
スーパーマンのマントのごとく纏うミックは
広いステージを歩き回り、
上半身裸にピチピチのパンツという
江頭2:50さんとの類似を指摘されそうな
出で立ちとカッコよさなど意識していないような
動きをしながらミックにしか許されないであろう
歌唱を披露する。
2023年現在、80歳を迎えるフロントマン二人は
未だ現役の生ける伝説として
なかなか"味のある"ライブを魅せてくれている。
カッコよくも笑ってしまうパフォーマンスは
いくつになっても手を抜かず全力で
ライブに臨んでいるプロ意識あってのものだろう。
3.Rocket Queen / Guns N' Roses
過去の記事でしつこく名前を出している
私の人生を狂わせたバンド。
この映像はボーカルであるアクセル・ローズの
狼藉として有名なパフォーマンス(?)
動画に字幕もなく少々わかりづらいので
流れを解説すると
まずアクセルが演奏中にカメラを構えている観客を見つけ、警備員に「あれを取り上げろ、あれを取り上げろ」と命じる。
しかし警備員は動かない。
アクセル「俺が取り上げてやる!クソが!」と
ステージからフロアへダイブ。
自らの鉄拳で観客に制裁を加える。
この間もバンドが律儀に演奏を続けているのが、
なかなかシュールだ。
そしてステージへ戻ったアクセルは演奏を止め、
「ありがとよ、遠慮がちな警備員。俺は帰る!」
とマイクを叩きつけて、引っ込んでしまう。
メンバーたちも「じゃ、そういうことで」
ってな感じでライブを放棄。
めちゃくちゃである。
しかしながら、この本物の危なさが
このバンドの大きな魅力のひとつだったことは
誰もが認めるところだろう。
4. at the California Jam '74 / Deep Purple
ギタリストとして世代を越えて「神」と
崇められるリッチー・ブラックモアが
ディープ・パープル在籍時、
カリフォルニア・ジャムなるフェスで
魅せた一世一代のパフォーマンス。
この映像では初っ端からギターを振り回す、
ステージ下へぶら下げる、踏むなどの
謎な行動をしたのちテレビカメラをギターで攻撃。
壊したギターを客席に投げ込んだのちに
再び装備した別のギターを弾くかと思いきや、
また踏み始め、アンプを燃やすなど、
やりたい放題である。
何が彼をこうさせたのか、怒っているのか、
楽しんでいるのかも、わからない。
天才の行動原理は我々、凡人の理解を
はるかに超えている。
5.おふくろさん / 森進一
さぁ、今回のテーマのトリを飾っていただくのは
演歌界の重鎮・森進一さん。
今はワンオクのボーカルの父親ということが
曲よりも有名かも知れない。
こちらは代表曲の『おふくろさん』で
レコード大賞を受賞したときのパフォーマンス。
素晴らしすぎる。
歌い出しから笑ってしまいそうなのだが
サビに近づくにつれて氏のテンションは
上がりブルーノートを思い切り効かせた
ロングトーンとサビの熱唱は
舌がマイクに絡みついているような
錯覚を起こすほどである。
これは最早、暴力だ。
昭和歌謡曲の偉大なる作詞家・阿久悠が
テープで彼の歌唱を初めて聴いたとき
「これはもしかしたら横浜あたりの黒人が歌っているのではなかろうか」
と、とんでもない衝撃を受けたというのも
納得せざるを得ない和製ブルース魂。
そして歌唱中に花束を渡しに現れた
相撲取り・輪島の天然ぶりも小ネタとして
非常に素晴らしい。
これこそ絶対に笑ってはいけない
パフォーマンスと呼ぶに相応しい
語り継がれるべき名演だろう。
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