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歯科診療所で言語聴覚士が働いた際の算定項目

目次
外来リハビリテーション
訪問リハビリテーション
障害別算定の例
自費診療

注)来年度の診療報酬改定で、変更点が出る可能性が高いので、これは2020年1月半ば現在のものであることをご理解ください。

歯科で言語聴覚士ができることは?

主に
• 摂食嚥下障害、口腔機能低下に対するリハビリテーション
• 言語障害(主に構音障害)に対するリハビリテーション

外来リハビリテーション
摂食機能療法
脳血管疾患リハビリテーション料
廃用症候群リハビリテーション料
集団コミュニケーション療法料

摂食機能療法
• 摂食機能療法 1日につき 185点
• 30分以上行った場合に限り、1月に4回を限度として算定
• 治療開始日から起算して3月以内の患者については、1日につき算定
• 歯科医師の診療にプラスする加算のため、言語聴覚士単独での摂食機能療法のみの算定はできない

その他、嚥下に関連する点数
• 舌圧検査(1回につき)(月2回を限度として算定) 140点
(JMS 舌圧測定器 ¥130,000)
• 嚥下内視鏡 600点 (一式そろえると¥1,500,000位~)

脳血管リハ
• 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位) 245点
• 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位) 200点
• 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)(1単位) 100点

発症後180日以降 月13単位まで
• 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位) 147点
• 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位) 120点
• 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)(1単位) 60点

脳血管疾患等リハビリテーション料
• 地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、厚生労働大臣が定める患者に対して個別療法であるリハビリテーションを行った際に算定
• 医科点数表の区分番号H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料の例により算定
• 音声・構音障害を持つ患者に対して言語機能に係る訓練を行った場合に算定

対象患者
ア 急性発症した脳血管疾患又はその手術後の患者とは、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、脳外傷、脳炎、急性脳症(低酸素脳症等)、髄膜炎等のものをいう。
イ 急性発症した中枢神経疾患又はその手術後の患者とは、脳膿瘍、脊髄損傷、脊髄腫瘍、脳腫瘍摘出術などの開頭術後、てんかん重積発作等のものをいう。
ウ 神経疾患とは、多発性神経炎(ギランバレー症候群等)、多発性硬化症、末梢神経障害(顔面神経麻痺等)等をいう。
エ 慢性の神経筋疾患とは、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症)、遺伝性運動感覚ニューロパチー、末梢神経障害、皮膚筋炎、多発性筋炎等をいう。
オ 失語症、失認及び失行症、高次脳機能障害の患者
カ 難聴や人工内耳植込手術等に伴う聴覚・言語機能の障害を有する患者とは、音声障害、構音障害、言語発達障害、難聴に伴う聴覚・言語機能の障害又は人工内耳植込手術等に伴う聴覚・言語 機能の障害を持つ患者をいう。
キ 顎・口腔の先天異常に伴う構音障害を有する患者
ク リハビリテーションを要する状態であって、一定程度以上の基本動作能力、応用動作能力、言語聴覚能力の低下及び日常生活能力の低下を来しているものとは、脳性麻痺等に伴う先天性の発達 障害等の患者であって、治療開始時のFIM115以下、BI85以下の状態等のものをいう。

廃用リハ
• 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位)180点
• 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位)146点
• 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅲ)(1単位)77点
• 発症後180日以降 月13単位まで
• 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(1単位) 108点
• 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅱ)(1単位) 88点
• 廃用症候群リハビリテーション料(Ⅲ)(1単位) 46点

集団リハ  制度上は算定できるけれど、歯科で算定している施設は今のところ多分ない・・
• 集団コミュニケーション療法料 1単位 50点
• 言語聴覚士1人当たり 1日のべ54単位を限度
• 集団コミュニケーション療法料は、医科点数表の区分番号H008に掲げる集団コミュニケーション療法料の例により算定
• 音声・構音障害を持つ患者に対して言語機能に係る訓練を行った場合に算定する。

脳血管1  245点(1単位 20分)
• 専任の常勤医師が1名以上勤務すること。
専従の常勤言語聴覚士が3名以上勤務すること。
• 言語聴覚療法を行う場合は、遮蔽等に配慮した専用の個別療法室
(8平方メートル以上)を有していること。
• 言語聴覚療法に必要な、聴力検査機器、音声録音再生装置、ビデオ録画システム等の機械・器具を設置していること。

脳血管3  100点(1単位 20分)
• 専任の常勤医師が1名以上勤務すること。
専従の常勤言語聴覚士が1名以上勤務すること。
• 言語聴覚療法を行う場合は、遮蔽等に配慮した専用の個別療法室(8平方メートル以上)を有していること。
• 言語聴覚療法に必要な、聴力検査機器、音声録音再生装置、ビデオ録画システム等の機械・器具を設置していること。

専従とは
• 言語聴覚士の場合にあっては、第7部リハビリテーション第1節の各項目のうち専従の常勤言語聴覚士を求める別の項目について、別に定めがある場合を除き、兼任は可能である
• 摂食機能療法 経口維持加算等の専従や障害児リハを行っていなければ問題はないと思います
• 自由診療での機能性構音障害等へのことばの教室はOK
• みなしでの訪問は多分OKだけどグレー
• 摂食機能療法の訪問はOK

訪問リハビリテーション
• 訪問でのリハビリには医療保険と介護保険がある
• 摂食機能療法(医療)
• 訪問リハビリテーション(みなし指定)(介護)「2020年現在の診療報酬では行けなくなっています」

摂食機能療法
• 歯科医師の診療への加算として算定できる
• 言語聴覚士単独での訪問では算定できない
• 歯科訪問診療料(866点・283点・120点)+摂食機能療法(185点)+内視鏡検査料(600点) etc・・

みなし指定 訪問リハビリテーション
(注 平成30年診療改定により、歯科からのみなし指定による訪問リハはできなくなりました。歯科医院からみなしで訪問リハをしていたところも、急にできなくなってしまいました)
• 訪問リハビリテーション費 1回 302単位 (同一建物内 90/100)
(1単位 20分 週6単位限度)
• 短期集中リハビリテーション加算退院(所)日又は認定日から3ヶ月以内
1日につき200単位
• その他
• 中山間地域の居住する者へのサービス +5単位
• リハビリテーションマネジメント加算Ⅰ 1ヵ月につき+60単位(ケアマネへの情報提供)
• リハビリテーションマネジメント加算Ⅱ
1ヵ月につき+150単位(3ヵ月に1度の担当者会議の実施が必要)
・サービス提供体制強化加算 1回6単位 勤続3年以上の療法士が必要

みなし指定 介護予防訪問リハビリテーション
(注 訪問リハ同様にみなしでは行けなくなっています)
• 介護予防訪問リハビリテーション費 1回 302単位 (同一建物内
90/100)
• 短期集中リハビリテーション加算
• 退院(所)日又は認定日から3ヶ月以内 1日につき200単位
• その他 中山間地域の居住する者へのサービス +5単位
• 計画書を作成・指導 300単位(3ヵ月に1回算定)

みなし指定でのリハ
• 39歳まで 医療保険
• 40歳以降 介護保険
• 訪問看護ステーションは高齢者の難病や末期癌の方を医療で算定
• みなしだと医療での算定がなぜかできない

• 唯一できると考えられたのは、医科の在宅患者訪問リハビリテーション指導管理料だったが・・歯科では不可
平成30年度改定から歯科医院からは、みなし指定での訪問ができなくなりました。それまでは、みなし指定でのSTのみでなく、PTOTのリハも可能でした。

障害別の算定例

障害ごとの算定  成人
脳血管疾患・神経筋疾患等々・・
嚥下:摂食機能療法
言語:脳血管リハ、訪問リハ
肺炎・廃用症候群・サルコペニア
嚥下:摂食機能療法(VF/VEによる評価は必須)
言語:廃用リハ、訪問リハ
(廃用は返戻が出やすいので算定の時には注意が必要)

障害ごとの算定  小児
器質性構音障害
言語:脳血管リハ
発達障害・重症心身障害
嚥下:摂食機能療法
言語:脳血管リハ・訪問リハ
(小児科等々からの情報提供書があるのがbetter)
機能性構音障害
言語:自由診療 (舌運動障害等で病名をつけて脳血管リハにしてい
る病院もあるよう 県によって違うかもしれない)

自費診療

言語聴覚士による自費の言語訓練は、これまでにも【ことばの教室】等としてされてきている。

歯科への相談で特に多いと考えられるのは、機能性構音障害である。
機能性構音障害は、器質的な問題がないため、医療保険での訓練ができず、ことばの教室で自費による訓練となる可能性がある。

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