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ある休日の 車窓から


みなさん、こんばんわ。

今日は 一日、やさしい雨が ふっていました。


私は、今日
ふだん、めったに 乗る事のない「電車」に乗って

ふだん、めったに 行く事のない「街」へ。



道中
じぶんが 一体 いつぶりなのか
わからなくなる くらい、

年に 数回しか 乗る事のない
「電車」というものに、乗ってみます。



いくつか駅を 通りすぎ、
若いカップルが 入ってきて、

近くの あいていたスペースに 腰をおろしました。


スマホを見ていた わたし

画面と一緒に、電車に ゆられながら
なんとなく 彼らの声が 聞こえてきます


「今日、よろしくお願いします」
「何のお仕事 されてるんですか?」


恋人どうしに 見えましたが、
どうやら 初対面? の様です

ちょっと まだ うちとけていない感じの
初々しさが ある ほほえましいカップル


彼はスーツで、ストライプの ネクタイ

彼女は  ベージュっぽい ピンクのスカートに
髪の毛を ハーフアップに しています


二人は 出会ったばかりの様で、
昼下がりの 車内で、

たがいに「自己紹介」のようなものを
はじめました。


どうやら、
彼の方は システム系の 会社員
彼女の方は 福祉施設の 職員さんかな?


一体、どういう関係性なのか
全く見えては 来ませんが、

おそらく、どこかで知り合って
はじめての ふたりだけでの デート
という 所でしょうか。


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私は スマホに飽きて、
かばんに しまって

魔法瓶に入れた 紅茶をのみ
小説をとりだし 読み始めました。

車内に あまり人はおらず
外では、お天気雨が 降り続いています。



窓ガラスに 光のすじが 流れていきます

車内には
かれらの声が 低くしずかに 響いています。


「・・・ですか。」
「そう、だったんですね。」
「・・・は、どうですか?」


彼女の 優しい声の あいづちが 聞こえます。

どうやら、
彼は 一方的に 話しているのか
彼女が、ずっと 聞き役なのか


彼は、
最初の あいさつの時に
軽く 彼女の事を 聞いただけで

「大変な お仕事なんですね
 えらいなー、僕には とても。」

と 短い感想を 述べたのち
ひたすら、自分の話を しています。


彼女の方は、 
私からは 見えないけれど


彼の方に 体ごと向いていて
その 一言一言に、うなずいているようです


わたしは、
きこえてくる 彼女の「あいずち」の
声のトーンに

なぜだが、
強烈な 眠気を おぼえはじめます


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ゴトン ゴトン、  ゴトン ゴトン、
  プァーー ーー ー


電車が もうすぐ 駅に着くようです。

その 警笛の音で、 私は 目覚めます


気がつくと、
彼らは すでに、降りた後の ようでした


わたしは、腕時計を見て
もう少し「眠れるな」って、思います



また 目を閉じながら、



彼女、ずっと 聞き役だったな。
お仕事でも、ずっと 聞き役だろうに

彼女の話は、
いったい 誰が 聞いてくれるんだろう。


そう 思いました。



また しばらくして、

ふと、目を開けると
目の前の 車内広告が 目に入ります

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 「まだ、間に合う!
  夏までに、素敵なワタシに☆」
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みたいな事を 書いた

エステ だか、脱毛サロン だかの
広告を、ぼんやりと ながめます


まるで、
少女漫画から 出てきたみたいな
モデルの 女の子が、

カールした髪を なびかせながら
にっこり、笑っています


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この間、
職場で 若い男の子に 聞きました。

いつも、
ちがう 女の子の話を している子です


ねーねー、最近の子って、
 「結婚願望がない」って ほんと?


一歩 まちがえれば、
立派な セクハラ発言です


気にする風もなく、彼は 答えます


 「フツー」じゃないっすか?
 でも ボク 「専業主夫」に なりたいです
 養うより、養われたいっす



そんな会話を ふと 思い出しました。



この時代の、
女の子の 「難易度」って 高いんだな

車内広告の かたすみに 
小さく表示された
「月々の お支払金額」を みながら

わたしは そんな風に 思いました。



ある日の午後、
チケットをもらった 絵画展に向かう途中で
まどろみながら、思っていた事。

ひーちゃんの 気ままな日記























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