ひそかに憧れている、信子さんのお話
さて、
食事をしている 最中だけは、
世界が しずかな ひーです。
もくもくと、ただ 黙々と
一点だけをみつめ、
何を 話しかけられても、反応しない
そのような
究極の悟り 『 無 』に
プチトマトを ほおばりつつ、
つながっているの かも しれません。
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さて、今日は（って 何回目だよ？）
麗しき 美マダム のぶ子さんの
おはなし
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信子さんは、ご近所に お住まいであろう
御年、80歳をこえ、90にさしかかろうかと
している おばー様 である。
だいたい、夕刻より 早い時間
スーパーにいくと、
生花コーナー と 雑誌コーナー
の近くで お見かけする お方。
いつも、
信子さんは ぴたっとした 服を着てる。
しゅっとした 姿勢で
足取りも まったく 衰えず
いや、むしろ
その辺の 若いモンより
体の軸が ぴんって 格好よく 歩いている。
小さな 肩掛けの
スマホしか入らぬような
刺繍入りの 紫色のポシェットをもって、
シルバーカーの上に 『my お買い物かご』
を乗っけて、
押してはいるものの、
寄りかかりもせず、商品を 吟味しながら、
今日も 涼やかに 店内にいる。
たまに、喫茶コーナーで お見かけする時は
小さな字で書かれた 文庫本をひらいて
座り姿も 美しく 過ごしていらっしゃる。
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初めて見た時は、
あまりの お洒落さ加減に
度肝をぬかれた ひー
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黒の涼しげな 七分袖に
華奢な 金色のネックレス。
真っ白な サブリナパンツ
くるんとした艶のある ショートヘア
丈の超みじかい 靴下に
素敵な 水色の スニーカー
ひらひらと 吸い寄せられて、
隣に 紙コップの 薄くなった緑茶をもって 座り
観察しつつ、
こっちを見た タイミングで 声をかけ、
お顔見知りに なることに、成功☆
（ よっしゃー！ (≧▽≦)♡ ）
信子さんは
・ほほほ と 笑う。
・「あなたは、いつも楽しそうね」
と 言ってくれる
フチの無い 上半分が ピンクがかった
金色のメガネを していて、
明るい グレーの髪に、
よくにあう 口紅をつけている。
紅茶とか、ソーサー付きで のみそうな感じだ。
きっと、花柄のテーブルクロスで
小指を立てながら、お茶を飲んでそうな
そんな感じ。
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信子さんって、お洒落ですよね？
どーしてそんなに、
いつも 格好いんですか？
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えぇーっ？
はじめて そう 聞いた時
（その後は、会う度に
そう言ってたから、
最近は、『慣れた』っぽい ）
顔の前で、
片方の手を 口にあて、
もう片方の手を、ふりふり していた。
信子さんの、
美の秘訣☆ は、
ヨガ である。
ピタピタした お洋服と
痩せてはいるが、衰えを感じさせない
その筋肉
もちょっと、お年寄りって、
エネルギーが 柔らかいっていうか、
色が薄く 感じているんだけど、、、
そういうと、
これかしらね？
信子さんは、シルバーカーの ふたを開けて
ある物を 見せてくれた
銀色に輝く ダンベル ふたつ
え？
シルバーカーに、ダンベル っすか？
こっちこそ、
イメージの違いに ひっくり返りそうになる。
こういうの、持ち運んで るのよ。
あんまり、軽いと、意味ないでしょ？
そーですかーぁあああ？
あくまで、懐疑的な☆ ひー
ゴロゴロする、買い物カートは
たとえ、量が少なかろうと、
絶対に 欠かせない
ふふふ
そうやって、
信子さんは、ふたを閉めて、
ぽんぽんと たたいた。
趣味なの かしらねー。
わたし、これが好きなのよ。
体って、鍛えてた方が ラクなのよ
信子さんが、お気に入りだという
オレンジの パウンドケーキを
ひとつ 頂く。
うん、美味しい☆っす
もぐもぐ、 しあわせな ひー。
ここで、休憩するでしょ
お花とか 選ぶでしょ？
そしたら、元気になるのよねー
『 遠回り 』して 帰っちゃおうかしらって。
信子さんは ふふふ と笑う。
そんなもんすかねー？
あなた、
あっという間よ、人生なんて。
あっという間？
そう、やれること やれる時に
やれるように やりたいだけ するの
たのしーわよ☆
お、おぅ。
ご高齢の 女の人に ウインクされて
めっちゃ どきまぎ する ひー
とりま、
おそろいの オレンジ味のパウンドケーキを、、、