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【薬剤師が解説】帯状疱疹は分かりにくいです。実際にあった症例を紹介します。

こんにちは!
キマグレです

今日は「帯状疱疹」について記事にしました。
去年の夏頃から非常に患者さんが増えてきています。
放っておくと痛みがひどくなり、さらに長い間その痛みに付き合わないといけなくなる上、薬が効かなくなるので早めの対処が必要です。

そもそも帯状疱疹とは何か?

顔や体の半分のいずれにピリピリ、チクチク刺すような神経の痛みが伴い、それから神経に沿って赤い斑点が出来たり、水ぶくれが出来てそれが帯状に現れる病気です。

帯状疱疹のウィルスは水疱瘡のウィルスと同じ「ヘルペスウィルス」です。
帯状疱疹は、免疫力が落ちている時に(幼い頃に水疱瘡にかかった人の)体内に潜んでいたウィルスが何らかのきっかけで悪さを起こすことでなります。
昔は近所の人が水疱瘡になると、わざと一緒に遊んでうつしてもらったりした方も多いと思います。
(大人で発症すると重症化する恐れと、妊婦で発症すると流産や早産、胎児への先天性奇形があると言われていたからです。)

帯状疱疹は50歳以上の人が多く発症するとつい最近まで言われてきましたが、最近20歳〜40歳までの若い世代の方も非常に多い病気です。

分かりにくくて発見が遅くなった症例

僕が勤めている薬局に来た患者の症例をいくつか挙げたいと思います。

①30代女性
3ヶ月くらい前の話。ある時、頭が割れるほど痛くなりそれが2日間続いた。もう我慢できないほどの痛みであったため脳に異常がないかMRI検査をしに病院に行った。検査をしたが特に異常は見られず、その時は痛み止め(ロキソニン)が10回分だけだった。3日後再度受診。おでこの所に神経に沿って帯状に赤いかさぶたが出来ていて酷い変わりようにびっくりした。結論は「帯状疱疹」。
頭痛だと思ったが、帯状疱疹だったという症例です。
この患者さん、いまだに痛みが続いていてお薬を内服している状況です。

②40代男性
腰痛と腹痛があり、内科に受診するも原因がわからず。内科ではとりあえず痛み止め(カロナール)が10回分出ただけだった。飲んだけど痛みはひかず、その後発疹が左腰に出て皮膚科に受診。
結果「帯状疱疹」だった。
元々ヘルペスにかかりやすく、疲れが出ると顔に症状が出ていたが、いつもと違う腰に出たので内科に診てもらったとのことでした。帯状疱疹は内科医でも判断が難しいということが分かった症例でした。

③50代女性
看護師で元々アルコール消毒をしたりで手が荒れやすかった。
ある時手が赤く荒れてしまっていて、いつもの手湿疹かと思っていたが、全然良くならないので皮膚科に診てもらったところ「帯状疱疹」だった。何週間も放っておいたので、帯状疱疹の薬が効かないと判断されたのか特に帯状疱疹のウィルスに効く薬は出なくて痛み止めが処方されるだけであった。
今も痛みに悩まされている状況です。

最後に・・・

帯状疱疹は医者でも分かりにくいです。
神経のピリピリした刺すような痛みがあったら、内科ではなく皮膚科に受診することがオススメです。

ただ帯状疱疹は他人にうつることはほとんどありません。
先ほど述べたように自分の体内に潜んでいるウィルスが悪さをするだけなので、他人から入ったウィルスが悪さをするとは考えにくいからです。

また50歳以上の方に帯状疱疹のワクチンを国が推奨していますが、このワクチンで帯状疱疹にかかりにくくなるとは僕は思えません。免疫力が低下することがきっかけで出る病気なので、ある程度免疫力があれば絶対にかからないと思います。

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