見出し画像

タクシー。

タクシー運転手とお話しをした。

今日は派遣のお仕事で初めての現場に勤務したのですが、その際に今日の相方となる方がわざわざ最寄り駅まで車で迎えに来てくれました。控えめに言って優しすぎます。そして車の中で彼と話をしていたのですが、彼が本業でタクシー運転手をやっており、その面白い体験談や雑学、タクシーに関する便利なライフハックを教えてくれました。せっかくなので備忘録ついでに紹介したいと思います。

最近のタクシーの運転手事情

ここはほぼ体験談や雑学になりますが、最近のタクシー運転手はあまりチップが貰えないそうです。チップは非課税のため貰えないのは非常に残念なんだとか。
え?チップ?日本なのに?最初は僕もそう思いました。ここでのチップとは1580円の料金で1600円を支払ったときの「おつりはいらないよ。」って言われるやつです。映画など、どこかで聞き覚えがあるのではないでしょうか。自分はかぐや様のアニメで見たような記憶が。(他にもいっぱいあるはず。)

ここ最近はメーターが100円単位で上がるらしく、これによってぴったり払ってくるお客さんが増えたようです。20円のチップでも何回もお客さんを乗せればチリツモですからね。10円単位で会計が出るときは2割増しの深夜料金か障がい者を乗せた時ぐらいしかないのだそう。

ちなみに一番高額なチップを貰ったときは4000円も貰ったそうです。小金井から九十九里まで行ったのだとか。詳しい話はここでは述べませんが、少しボケてきたおじいさんだったらしいです。万札ボンッで「残りでおいしいご飯でも食べてきな」と。最後のところだけ聞くと結構粋なおじいちゃんですけどね。

後は21時間ルールについても語ってくれました。労働基準法によって1日で働ける時間は決まっています。彼のような隔日勤務の場合は1日21時間です。この21時間の間に事務所まで戻って色々と手続きをしなければなりません。特に都内では厳しいのですが、千葉県だと房総半島の僻地まで飛ばされ得るのでその辺が少し甘いのだとか。(僻地はそもそもタクシー自体あまりいないので別のタクシーに乗り換えてくださいみたいなことが出来ないため。)


タクシーの運転手は近づいてくる客に対して、「この人は終電を逃したんだな」なんて大体わかるそう。そしてある日、小金井駅で乗り込んでくるいかにもそんな酔っぱらったお客さんに対して目的地を聞いたところ、「津田沼まで。」と返答。ここにきてまさかの長距離。ところがこの時、津田沼に行って事務所まで戻ってくるまでには21時間ルールを考慮するとかなりきわどいラインでした。しかしいろいろ考えた結果、今回はギリギリ間に合いそうなことと長距離は稼げるため乗せていくことを決めました。

そしてタクシーは、ようやく津田沼駅の方まで走りました。運転手が「どの辺?」と聞くと酔っぱらった彼女は「北口行って。」と答えました。勿論、津田沼なんて初めての地であったし、タクシーのナビというものは大体が古いもので、当時使っていた10年前のナビもどうやら南口までの渡り方を知らないみたいでした。仕方なく道案内を彼女に頼むと、彼女は「まっすぐ行ってー。」「まっすぐ行ってー。」しか言わず気づいたら習志野の……どこだ?

そしてなんやかんやで彼女を家まで送り届け、事務所に戻ろうとするのですが、なんと燃料が残りわずか。ここで問題なのは、なんとタクシーはガソリンでは動かないということです。タクシーはLPガスで動くため普通のガソリンスタンドでは給油ができません。(初耳)そして少なくともこんな深夜にやっているLPガススタンドは都内に行かなければなく、都内の24時間スタンドに行っても休憩時間とやらで給油できないタイミングがあるそうです。(24時間とは)

ということで時間が本当に限られている中、わざわざLPガスのためだけにかなり遠回りしての事務所帰りとなりました。このようなことがあるため夜のタクシーは怖いのだとか。

メーターの話

タクシーのメーターの数字を運転手が勝手にあげることは出来ません。稀に若いお客さんがタクシーに乗って「動いてないのにまたメーター上がったぁー⤵︎」なんて文句を言うことがあるそうですが、メーターは決められたルールに従って自動で動きます。場所にもよりますが、千葉県内だと95秒間10km/h以内の状態が続くor約250m走行すると100円ずつ料金が上がっていきます。(2022年現在)

また、運転手はメーターを勝手に上げることができないと述べましたが、下げることはできます。そうは言ってもそれは限定的です。タクシー会社によっては深夜料金を取らない所もあり、そのような場合のみでしか下げることができません。稀に運転手が道を間違えたりした時に、無駄なトラブルを避けるために「300円まけておきます。」なんて言うことがあるそうですが、それらは全て自腹です。

ちなみに、タクシー料金について知っておくと便利な知識は、タクシー料金は1kmで大体500円だということです。250mで100円を4で掛けて、それに信号待ち1回100円を足して500円。GoogleMapsで現在地から目的地までの距離を検索して、500を掛けるとあくまでも目あすにはなりますがタクシー料金が算出されます。
ちなみに、深夜料金の場合も信号待ちが減る観点から1km500円ちょいで計算しても良いそう。(2022年現在)

タクシー利用のライフハック

この章は大切なことばかり述べます。覚悟しておいて下さい。

まずは酔っ払った時のタクシー利用についてです。単刀直入に大事なことを述べますが、家に帰る時には必ず運転手に住所を伝えましょう。

「いや、こんなことかよ。」なんて思った方が沢山いるはずです。しかし、貴方はタクシーを利用しないといけないほど酔った状況でちゃんとこれができますか。しっかりと頭に叩き込んでおいて酔っている時でもちゃんと運転手に住所を伝えられるようにしましょう。

ここで運転手の体験談です。彼は駅である酔っ払った男性客を乗せました。男性客は「起きてるから大丈夫。」なんて言うもんですから、運転手は彼の道案内を元に運転をすることになりました。

男性客は「まだ真っ直ぐ進んで。」と言います。いくらかタクシーが進んで運転手が「そろそろですか。」と尋ねると、男性客は「まだ真っ直ぐ進んで。」と言います。そして男性客は後部座席でガサガサといなり寿司を食べ始めました。まだ起きているのだと安堵します。そしてこんなやり取りが何度か繰り返されたあと、タクシーは幾つか隣の市の丁字路まで迫りました。運転手が「お客さんどっち。」と聞くと「左。」と返事が帰ってきました。タクシーは左に曲がりますが、運転手はここから先どのように進めば良いか分かりません。しかし、「お客さん、この先どうすればいいの。」という問いかけには返事はありません。そこから帰ってくるのはいびきだけです。

こうなると運転手は困るわけで、お客さんを起こさなければなりません。しかし、タクシー運転手にはルールがあり、お客さんを起こすときにはお客さんを触ってはいけないのです。今回も案の定声をかけるだけでは起きず……。

こうなると運転手は最終手段に入ります。近くの交番を探し、進路をそちらへ変更しました。
最終手段とは、お巡りさんに起こしてもらうことです。ようやく起きたお客さんは、どうやらタクシーを乗った駅の反対口からすぐの家に向かう予定でした。

それからお客さんを家まで送り届けるのですが、遠回りしただけではなく、お客さんを起こすのに止まった時間、交番へ向かう距離やそこで止まっている時間もメーターは動いているわけですから、本来は1500円程度で行けた距離のはずが9000円も超える料金となってしまいました。お客さんは「半額ぐらいまけてよ。」と必死になげくのですが、もちろんその半額は運転手の自腹になります。流石に払えません。最初から住所を伝えてればこのようなことにはならずに済んだものを。

先程の津田沼まで行ったお客さんの例でも住所を言えば迷う必要もなく料金が安くなりましたしね。また、別のお客さんの話ですが小金井でタクシーに乗って「ニュータウンまで。」と言ったお客さんがいました。この辺りでニュータウンと言えば多摩ニュータウンなのですが、どうやらその人は千葉ニュータウンに向かいたかったそう。このように様々なケースがありますから運転手に住所は正確に伝えましょう。


別の話に入ります。
これはあまり大きな声で言いたくない裏技的なライフハックなのですが、駅でタクシーに乗るためのライフハックです。

地震や大雪などの災害が起こって電車が止まった。帰宅困難者が多数出ている。そのようなニュースを災害の度に見るでしょう。その時、テレビにはタクシー乗り場に並ぶとてつもない列が映し出されています。こんな時でも(もしかしたら)使えるかもしれません。

それは、タクシー運転手のルールを逆手にとった方法です。基本的にタクシーは駅に近づいたらタクシー乗り場に並ぶことになりますが、乗り場のちょっと前でスタンバイしているセコいお客さんが手を挙げていても乗せることができません。では、その「ちょっと前」の境目はどこでしょうか。その境目より先で待つというのがこの裏技です。

実は、その境目というのはタクシー会社によって異なります。ですが、大体は1つ前の交差点を曲がった、タクシー乗り場が見えない場所ならお客さんを乗せても良いところが多いです。もちろん例外もあり、交差点があまりにもタクシー乗り場から近い場合はさらにもう1つ先の交差点を参照するだとか、交差点を曲がらずに真っ直ぐタクシー乗り場に向かうタクシーの場合は1つ前の大きな交差点の前だとか。もちろんこれらもタクシー会社によって変わりますが。

え、アプリでタクシーなんて呼べるから大した情報でもないと……?ナンデスカソレ。
しかし、大手タクシーアプリのGOは全体のタクシーの内、75%と提携しているらしいので25%のチャンスはあります……。(2021年現在)

おまけ

話をしていたタクシー運転手によると、千葉県民の運転はかなり怖いそう。例えばコンビニから出て右折する際に、一旦道路の真ん中まで進んで止まり、そこから右折する一連の流れがもう論外らしく、「あんなの都内でやったら大ブーイングだよ!」と言います。

他には、車を右折させる際に赤信号になってからノコノコと交差点の真ん中まで入って止まり、タイミングが合ったらそのまま右折していく行為なども挙げていました。プライベートで運転手は「流石にそのような事は出来ない。」と右折を見逃していたら、隣に座っていた千葉県民の奥さんに「そんなんじゃあんた、いつになっても曲がれないよ!」なんて怒られたようです。確かに私も教習所で右折する際に、信号が赤になり1拍置いてから前のトラックがパッシングしてくださり、その後ゆっくりと右折した記憶があります。私もてっきりそれが普通だと思っていました()

最後に

人によっては大した事載ってないななどと思ってしまったかもしれませんが、私にとっては面白い話でしたので思い出すついでに少し共有してみようと思いました。ちなみに、今回お話を聞かせてくださった運転手の方は今は小金井ではなく別の場所でタクシー運転手をしているそうです。

今回は前回のチャーハンの記事ほどのボリュームはありませんが、楽しんでもらえれば幸いです。最後まで読んでくださりありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?