ノルウェイの森 切り抜き①

静かで平和で孤独な日曜日

僕は毎日大学に通って、週に二回か三回イタリア料理店でアルバイトをし、伊東と本や音楽の話をし、彼からボリス・ヴィアンを何冊か借りて読み、手紙を書き、「かもめ」と遊び、スパゲッティを作り、庭の手入れをし、沢山の映画を見た。

窓の外は広い庭になっていて、そこは近所の猫たちの集会所として使われています。僕は暇になると縁側に寝転んでそんな猫たちを眺めています。
いったい何匹いるのか分からないけれど、とにかくたくさんの数の猫がいます。そしてみんなで寝転んで日向ぼっこをしています。

手紙の中で僕は、
素敵なことや気持ちの良いことや美しいもののことしか書かなかった。
草の香り、心地の良い春の風、月の光、観た映画、好きな唄、
感銘を受けた本、そんなものについて書いた。
そんな手紙を読み返してみると、僕自身が慰められた。そして自分は
なんという素晴らしい世界の中に生きているのだろうと思った。

放っておいても物事は流れるべき方向に流れるし、
どれだけベストを尽くしても人は傷つくときは傷つくのです。
人生とはそういうものです。
幸せになる努力をしなさい。
幸せになれると思ったらその機会をつかまえて幸せになりなさい。
経験的に思うのだけど、そういう機会は人生に二回か三回しかないし、
それを逃すと一生悔やみますよ。




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