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SMAPに愛を込めて

2016年の年末にインスタグラムに投稿したものを修正・追記して再掲します。ただひらすらに愛を込めた、彼らへのラブレターです。復活を願っている。


これはただの、あまりに長い独り言です。

2016年12月31日、SMAPは解散するらしい。らしい。

どうしたって実感がわかないので仕方がない。そのニュースを聞いたのは仲間内の飲み会の席で、驚いた私は携帯画面を見て固まっていた。飲み会の中には別れたばかりの元恋人がいた。形あるものはいつか壊れるからね、仕方ないんじゃない?とまっすぐ私を見ていう彼の顔をみて、何を揶揄してるんだよ、と。なんともいえない気持ちになって酔いが覚めたのを覚えている。

はじめてコンサートに行ったのは2005年。それまでブラウン管の中でしか知らなかった彼らが歌い踊るのを目の当たりにして、胸が震えた。完全に5人に魅了された当時高校生の私は、メールアドレスを曲名にしたり、あらゆる持ち物にアルファベットシールで"S"M"A"P"の4文字を貼り付けた。毎週月曜10時になると自室の小さなテレビデオの前に座り、一寸も逃さない!と食い入るようにSMAP×SMAPを観た。もちろんちゃんと録画して、VHSの端っこにある爪を折って(今となってはなんて懐かしい動作だろう)、シールに日付を書いて、大事に、大事に、保存していた。CDや雑誌の発売日にはバスに乗ってショップに駆け込み、歌番組に出演する日は友達やデートの予定も切り上げて放送を待った。

大好きだった。「笑顔だきしめ 悲しみすべて 街の中から消してしまえ」そう歌う5人が本当に大好きだった。15,16歳の頃は人生の第一過渡期だと思っている。若さゆえの悩みに自分を縛り付けていたそんな頃、私を鼓舞したのは紛れもなくSMAPだったと思う。次に出すシングルや、ほぼ毎日テレビをつければ観られる姿、例えば木村拓哉が髪の毛を切ったとか、中居正広のマイクの電池の有無だとか、香取慎吾はまた太ったのか、草彅剛また韓国語で話してるぞ、稲垣吾郎がちゃんと踊ってるぞ、なんて他愛ないことで一喜一憂していた。忙しない日々の中で、何かに熱中できること、世界中が幸せになれ!という彼らに、救われた瞬間があった。確かにあった。友人から譲り受けたチケットを握りしめて見つめた、豆粒ほどのサイズの彼らが放つ、あの眩しさに心から憧れた。

偶像崇拝、これこそが”アイドル”だと、いつまでも、夢を見られた。

オタク人生はこうしてSMAPから始まったけど、高校を卒業してわかりやすく世界が広がったミーハーな私は、好きなものも、人も、音楽も、夢も、どんどん増えていった。これからも増えていくと思う。それでも、いつまでもSMAPは揺るがず、私の青春に変わりはなかった。年に数度だとしても、ライブDVDを見返せば、彼らに恋い焦がれた日々が、小さな部屋で膝を抱え雑誌を眺めたり、VHSの爪を折った日々が蘇り、懐かしく微笑ましく少し恥ずかしく、ちゃんと、私を、元気にしてくれた。

2016年12月31日、SMAPは解散するらしい。その数日前、たった5時間の放送でSMAP×SMAPも終わるらしい。世界に一つだけの花を歌わせることが解散への花道になると考えたんだろうか。だれがそんなこと望んだんだろうか。SMAPのメンバー自身が、長年ジャニーズ事務所で仲間外れにされてるんだ、Jフレンズにもカウントダウンにもでられないだなんてネタにし続けてきたことがこんな形で知らしめられたこと。SMAPには2年に1回解散騒動がでるといつも笑い飛ばして、SMAPであることが存在意義だと明言してきた5人が、今更、不仲での解散なんてあまりに方便が過ぎること。ファンが、必死になって「世界に一つだけの花」を買い集めていること。

きっと大多数の人には関係のないことなんだろうけど、笑わないで欲しくて、つらつらと書いた。ポエティックな表現になるのは、ファンが偶像に向ける愛情ゆえ許して欲しい。それを含めて、署名も、投書も、購買活動も、身近でファンが泣いていても、どうか茶化さないでという願いを込めて、書いた。大好きなドリスマのDVDを観ながら、15歳に戻って、書いた。2001年の大事件を乗り越えて2002年。ファイナルのコメントから繋がるベストフレンドを聞いていたら、あまりに切なくてやるせなくて、書いた。

25年。長い間ずっと走り続けた国民的アイドルが、仲悪いんでしょ?どうでもいいよ、なんてメディアや世間に嘲笑われるような、こんな無様な終わりを迎えるなんてこと、やっぱり、ありえないな。華麗なる逆襲を待ち望んでいる。主要メンバーが脱退しても、結婚しても、不祥事を起こしても、歌が下手だダンスが下手だと言われても、ここまでのぼりつめた功績が、ストップするなんて。ちゃんちゃらおかしいぜ。いつかまた5人がめちゃめちゃにかっこつけて、ファイブリスペクトを歌ってくれると信じている。少なくとも37万人は絶対絶対信じている。

そしてそのときは、一生分の運全部を使い果たしたっていいから、ラッキーさんになれることを願っている。

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