ゴミ捨て場の熱帯魚

皆が馬鹿にしてた。
私も少し苦手だった。
少し浮いてたあの子は。
私にプレゼントをくれた。
私と帰ってくれた。

もう誰も居ないよ。

プレゼントを選んで贈ってくれる子。

一緒に行こうと歩いてくれる子。

冷えちゃってるよと手を包んでくれる子。

貴方は可愛いよと言ってくれる子。

おいでと膝に乗せてくれる子。

手を繋いでくれる子。

一緒にご飯を食べてくれる子。

一緒にお出かけしてくれる子。

手づくりのお菓子をくれる子。

くだらない連絡で1日話してくれる子。

上手だねと褒めてくれる子。

誰も居ないよ。誰も居ないよ。

ごめんね。

私の過去と身体が汚くても隣に居てくれる子。

ずっと居なかった。

 居て欲しかった。

 ノイズ塗れのこの世の中で。

凛と響く美しい鈴のような音。

 私が生み出した都合の良い幻。

全て打ち消す汚い音。

辞めて。お願い。言わないで。お願いだから。

頭に響く汚い雑音が嫌だ。

忘れたい。取り消したい。無くしたい。殺したい。

全部全部全部全部。

美しいモノに変えたい。

ひとつで良い。

何かひとつ。

それを打ち消す凪の様な。

汚い五月蝿い音が溢れるなら。

無音の方がずっと良い。

わたしは友達が欲しかった。

それだけなの。