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最近思ったこと。
幼い頃の私は、本を読むのが好きではなかった。というより、直線と曲線だけで形作られた「文字」、という単純な構造が規則的にただただ並んでいるだけの光景があまり好きではなかった。だから、直感的に知覚しやすい絵みたいなものに強く興味をひかれていた。
でも今あの頃より少しだけ歳をとってみると、文字も絵も大差ないものだな、と思うようになった。やっぱりどんなものでも綺麗なものを創れる人は綺麗なものを創れるのだな、と本当に感動した。
そしてもう一つ、幼い頃の私が本に興味を示せなかったのは、ただただ視野が狭かっただけなのだろうと思った。どれだけ緻密に表現された文章であったとしても、ある程度は読み手に想像力みたいなものがなければ本は成立しない。"蒼く茂った草花にかかる朝露を見ながら、僕は孤独にその冷たく濡れるズボンの後ろを、ただだらしなく、地面につけていた。”と言われても、きっと分かる人には分かるだろうし、分からない人には分からないはずである。
つまり要するに、文章は文章だけで成り立つわけではない。そこにはある程度の知性や知識、経験や想像力が必要なのであって、それを日々身に着けていくことができれば、もっと見える世界は広がっていくのだろうと少し嬉しくなった。
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