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書きなぐりのーと

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いわゆるエッセイみたいな雑文です。思いついたこと、気になっていること、昔から考えていること、あったこと、なかったこと、「どうでも話だけど誰かに聞いてほしい話」を書きなぐってます。
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#子育て

娘の弁当を6年間作り続けた話

我が家の一人娘が中学生になった2008年4月から、高校卒業の2014年3月までの6年間、ぼくはほぼ毎日娘のお弁当を作り続けた。 きっかけは娘の中学校の入学式の数日前の夜、妻との何気ない会話。「あの子が中学に入ったら毎日お弁当が要るね」という話になった。そこで、ぼくが迂闊にもうっかり口を滑らせたのである。 「おれ、弁当作ろっかな・・・」 「は? そんなできもしないことを(失笑)」 「なにっ・・・できるし。作るし。」 うちの妻は「守れもしない約束をする男」が大嫌いなのである

最後に手をつないだ日の話

最後に娘と一緒に風呂に入ったのは、いつだっただろうか。おそらく彼女が小学4年生になった頃だったように思う。振り返ってみても、「これが最後だ」と感じた記憶はない。でも、最後に手をつないだ日のことははっきりと覚えている。 うちの娘は、幼稚園から中学卒業までピアノ教室に通っていた。家では泣きながらイヤイヤ練習しているようにしか見えなかったが、本人はそれなりに楽しんで通っていたらしい。教室は大阪・梅田のど真ん中にあったので、小さい子どもを一人で通わせるわけにもいかず、週一回のレッス