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書きなぐりのーと

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いわゆるエッセイみたいな雑文です。思いついたこと、気になっていること、昔から考えていること、あったこと、なかったこと、「どうでも話だけど誰かに聞いてほしい話」を書きなぐってます。
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#仕事

「わかっていないということを、わかっていない」人たちの話

これはもしかすると単なる愚痴なのかもしれないと思いつつ、あえて書きます。 あくまでも個人的な肌感覚に基づいた話なので統計的な根拠などは皆無ですが、ここ10年ほどで日本人のビジネス力のようなものは著しく劣化したのではないかと危惧しています。 きみは何を「よろしくお願い」しているんだ? たとえばメールのやり取りひとつとっても、それは顕著です。 ある案件について「AもしくはBという選択肢、どちらにしますか? どちらでもない場合は具体的にご指示ください」というメールを送ると、 「

働くことと、そこにある快楽の話

 コピーライターとして仕事をするようになって、気がつけばはや30年ほどが経ちます。広告代理店やプロダクションから依頼を受けて仕事をすることもあれば、自分自身がディレクターとしてデザイナーやカメラマンをアサインして仕事を動かすことも多々あります。  できることなら、ぜんぶ一人でやりたい。15年ぐらい前まではそんな風に思っていました。企画はもちろん、デザインもコピーもぜーんぶ自分ひとりで完結したい。もちろん、写真も自分で撮っちゃう。そういう人になりたいと、真剣に思っていました。

いきなりバトルマスターLv.1にはなれません、という話

ロールプレイングゲームには、たいてい上級職というものがある。 たとえば、パラディン。回復魔法を使う僧侶を一定レベルまで育てた後に、戦士に転職(クラスチェンジなどと言いますね)して再び一定レベルまで育てる。そうすると、回復魔法も使えて戦闘力もそこそこ高い上級職、パラディンに転職が可能になるというわけ。 ほかにもゲームによってさまざまなだけど、バトルマスター(戦士×武闘家)、賢者(魔法使い×僧侶)、モンク(武闘家×僧侶)・・・といったあたりが一般的だと思う。上級職にしか使えない技

タクシーの運転手さんに「がんばって」と言われた話

会社勤めを辞めて、独立して今年で13年目になる。 フリーランスになってからいろいろと変わったことはあるが、そのうちのひとつが「タクシーに乗る機会が増えた」ことだと思う。 決して贅沢をしているわけでもなければ、ましてやセレブぶっているわけでもなく、単純に時間節約が最大の理由だ。大阪は縦横に地下鉄が走り、JR環状線がぐるっと周りを取り囲んでいるものの、意外とアクセスの悪いポイントがある。東京に比べて小さな街なので、そういうところに行くにはタクシーに乗るのが一番手っ取り早い。会社員

昆布茶とおじいちゃん社長の話

仕事の手を休めて昆布茶を飲んでいます。 昆布茶を飲むたびに思い出すことがあるのです。 昔むかし、ぼくが就職したばかりの頃(おおかた30年前)、さっぱりダメな営業マンだったぼくは、毎日の仕事が苦痛で仕方がなかった。後先のことなんか、これっぽっちも考えずに、会社を辞めることしか考えていなかった。月曜日の朝はジャンプで連載中のドラゴンボールを読むことだけを唯一のモチベーションにして会社に向かう、そんなクズサラリーマンだった。 そんな時に先輩から、ある会社の担当を引き継いだ。 も