仮面ライダーBLACK SUNよ。かっこよさで誤魔化すには限度がある（ネタバレ）

皆さん、仮面ライダーBLACK SUNは見ましたか？
とにかくかっこよかったですよね。
本来、若手役者の登竜門となる仮面ライダーを今をときめく俳優を並べたらどうなるのか？
そりゃもうかっこいいですよ。
だってあの西島秀俊が中村倫也が『変身』するんですよ。そりゃかっこいいわ。
ですが！

そんなかっこよさでは誤魔化しきれないガバさがあるんですよ！！！

今回は私が見て「えぇ……」と引っかかった部分、設定について挙げていきます。

• 人が怪人になることに対する恐怖が薄い

まずあの世界では怪人は差別の対象です。しかし、怪人が歴史に現れたのは第二次大戦頃。それは何かが原因で怪人が世に出たことになります。それはつまり「誰かが怪人を作った」と考える人も居るはずです。
ぶっちゃけ、それって怪人より怖くないですか？
そんな技術があるかもしれない。って考えたら、あの世界で陰謀論的な扱いでも怪人自体よりそんな技術や陰謀に対して恐怖を抱く人が居てもいいのに、怪人にしか目が行ってないのは不自然な気がしました。

• 子供に危ないモンを託し過ぎじゃぁ！

光太郎と信彦の父を筆頭に親が子供に危ないモンを託し過ぎとる。
そら命ごと狙われる。
100歩譲って「キングストーンを体内に埋め込めば取られないじゃろう」って思ったのならなんで取り出せる？　ストーンは怪人の力の源じゃないのか？　ストーンが簡単に人に渡せるならなおさら息子を怪人にする必要なかっただろ！

• もっと早く「怪人が人間を支配する！」って思考に至ったのでは？

これ後半特に思ったんだけど、学生運動中はあくまで「人間と怪人の平等な世界を」を目標にしてたけど、もっと早く過激な思想に至りそうな気はした。たしかに本作の怪人は弱いです。銃で死ぬし、人間に集団でボコられたら死ぬ。でもマルコムXみたいな思想の奴がもっと早く出てもおかしくなかったと思う。シャドームーンが宣言するまで誰もやってないのは不自然だと思った。

• アオイちゃん、なんでサタンサーベルの使い道言わなかったの！？

光太郎が創生王殺したいのは知ってたじゃん！
じゃあ必要って教えてあげないとだよね？　教えなかったから光太郎創生王になっちゃったよね？　殺すハメになっちゃったよね？　二度手間だよね？

• 最終話で急に原作OPを再現すな！

笑っちゃっただろ！！！！！！！

以上が私が仮面ライダーBLACK SUNを見て突っ込みたくなった箇所です。
もちろん良いトコもいっぱいありましたよ。
特にキングオブコメディー今野さん。良い意味で感情を出さない演技で不気味さや生理的嫌悪を掻き立てる素晴らしいキャラクターでした。そのキャラクターが醸し出すどうしようもないほどわかり合えない世界の描き方が最高でした。
第二次大戦の人体実験、学生運動、日米安保、在日差別。あらゆる日本の負の部分を仮面ライダーという枠に落とし込んで描いている陰鬱さが良かったです。
あと個人的に笑ったのが正体がわかるまで創生王の存在が本当に異質で、「創生王って村の御神体みたいな扱いなの！？」って思ったりもしました。