巡拝note:上賀茂神社から東へ、藤木社と大田社
7月、賀茂別雷神社、通称上賀茂神社を参拝。
その後、上賀茂神社を出て東へ、明神川に沿って散策を始める。正面に見えるは比叡山。
この地域は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。明神川にかかる石橋をわたるところに邸宅がつづく。石垣に土塀、そのうえから木々の緑が垣間見える。一部拝見できるところもあるようだが、今回は見送る。
東に向かって進む先の正面に巨樹がみえる。ここが上賀茂神社の境外末社の藤木社。明神川の守護神として信仰されてきた。
御祭神は瀬織津姫神。
このクスノキは樹齢500年という。巨樹は楠の木、神社は藤の木。
町の中、神社と巨樹と清流という空間がある。とても素敵な空間だと思う。
いまの時期だと少し分かりにくいのですいが、この藤の木、じゃなくて楠の木にはナンテンのほか数種の植物が寄宿しています。冬になればナンテンの赤い実がクスノキの上に実ります。
藤木社からさらに東へ進み、大田神社前の交差点を左折、北へ歩くと正面に大田神社がある。
大田神社の東側には大田の沢と呼ばれる沢地があり、カキツバタの群落がみられる。ここは平安のころからカキツバタの名勝地であったようで、藤原俊成も歌を詠んでいる。
神山や大田の沢のかきつばた 深き頼みは色にみゆらむ
藤原俊成『文知六年五社百首』
和歌の「神山」は上賀茂神社の御祭神である賀茂別雷大神が御降臨したとされる山で、上賀茂神社の北にある。上賀茂神社はこの神山を遥拝するように鎮座している。
残念ながら今の時期はカキツバタは咲いていないので、かつてどこかで撮ったカキツバタをちょいと載せておく、いろどりとして。
さて、大田神社は延喜式神名帳にのる古社であり、この一帯でも最古の神社と伝えられています。
御祭神は天鈿女命。
天岩戸の神話で、御神楽を演じたところから芸能の神さまとも信仰されている。
桔梗之介が訪れたときは暑い夏の日でしたが、境内の木陰に入ると日差しがさえぎられ心地よくなる。
境内では、読書をされている青年がいた。それでも気温は高めだと思うのですが、平素多くの参拝客の訪れる神社でもなさそうですし、自然環境の中で静かに本を読むことができるのかもしれない。
きっと女神もほほえましく見られていたことだろう。
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