スマートシティ、という取り組み

京都スマートシティエキスポ2019に行ってきました。

さくら(というか菊地)はいま、FIWAREというデータ流通のための仕組み(プラットフォームでありプロトコルでありデータモデルでもある)に結構コミットしているわけですが、FIWARE自体はスマートシティに「も」使えるというだけで、スマートシティ実現のための(専用の)方式というわけではありません。

つまりスマートシティを直接推進しているわけではないのですが、上記のようにもちろん無関係ではないわけで、むしろスマートシティやスマートビルの取り組みが進んでくれればそれはITインフラの利用が増えるという意味で広義には喜ばしいことなわけなので、研究対象としてウォッチしているということなわけです。(という長い前置き。)

さて、京都スマートシティエキスポは、ワールドワイド版(スペイン・バルセロナ市が主催?)のスマートシティエキスポというものがあってその日本版ということで、2014年から開催されているようです。私が参加するのは今回が初めて。
まあなんとなく想像できるのではないかと思いますが、お上の官製イベントだろうとは思っていました。そして実際そう言う感じではありましたが、思っていたほどはひどくなくて、それなりに盛り上がっているようには見えました。

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出展者は、スマートシティを推進してますよ/したいですよ、という自治体や公共団体が半分くらい、残りの半分はスマートシティに関係する製品やサービスを出している企業、という感じです。その他一部大学や研究機関がありました。

ここからは「スマートシティ」の中身についてです。

スマートシティって一体なんだろう?そこがそもそもよくわからなくて、いくつかのブースを回って事例を見てみました。

どうもスマートシティというのは、「都市を、システムを改善したりそこに新しい技術を投入したりすることでスマート(高効率)にし、市民生活を改善・快適にしたり、新たに発展させることを目指す取り組み(菊地勝手定義)」ということのようです。
で、具体的に何をやっている/やろうとしているのかというと、目についたところでは、

・何らかの特区制度(規制緩和なども)を導入して、企業等を誘致して産業振興する
・自動運転車やスマートモビリティなどを導入する、あるいは既存の交通システムを改善して物流を効率化する
・上記に通じるものだがドローンなども
・電力制御(スマートグリッド)を導入して電力利用効率を改善する

などがあるようです。まあこれは、このイベントの枠組みとも関係しているかも。ネクストモビリティエクスポ2019併設、ってなっているようなので。

データ流通に取り組んでいる立場からすると、「データをオープン化して流通させていこう」みたいな取り組みがあんまり見られないのは残念なところでした。
というか逆にわかったこととして、データ流通というのはスマートシティの取り組みの中でも(まだ)あんまり盛り上がっていない取り組みなんだ、ということです。データ流通にとりくんで、「街のxxが効率化されてさらに新しいyyが生まれた」みたいなのを期待しているのですが、道程は遠いという感じがしてなりません。

そんなわけで、データ流通のやり方としてFIWAREではない方式によるものがないかなというのもスマートシティエキスポ参加にあたって期待していたことなのですが、残念ながらそういったものは見つけられませんでした。Ciscoなどはスマートシティの推進という取り組み自体は結構力を入れてやっているようなんですが(大きくブースを出していました)、そのようなプラットフォームの整備というような観点はあまりないようです(私の見方が悪いんだろうか)。

スマートシティ(スマートモビリティもそうですが)、これは大きく言えば「リアル」を改善していく取り組み(あるいは別の言い方をすればデジタルトランスフォーメーションの推進)というのは、これから5年、10年(もっとかも)というスパンで極めて重要な活動になっていくと菊地は捉えているのですが(だからこそデータ流通に取り組んでいる)、上記で挙げたような現時点での取り組みというのは、個々の、つぶつぶのシステムを構築する段階にまだ留まっているようです。

そして、そんな状況のなかで、さくらインターネットという情報通信インフラを提供する民間企業として、このような「リアル」に対する取り組みをどのようにやっていったらいいのかということについて、色々戦略を考えていかないとならないなあ、と改めて思ったのでした。(まあそこを考えるのは経営の仕事なんだけど。)

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Ciscoのイベントカー。Interopでは大行列だったとかですが、ここでは超ゆっくり見られます。

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車内にあるラックの様子。上の方に3つ並んでいるのが外部とのネットワーク接続装置で、黒いアンテナを生やしているの(2台)がLTE端末。その他、LTE不通時に備えて衛星リンクも装備(次の写真)。

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最近装備したというLoRAの受信装置。LoRAをしゃべるというスマートウォッチ(アクティビティモニタ)と組み合わせたデモをやっていました。
というか、LoRAをしゃべる腕時計とかあるなんて知りませんでした。

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日本では初登場という、メルセデス・ベンツのEV。EQCクラス。水戸で陸揚げしたばかりというピカピカの新車。試乗させてもらいました。

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(EQC試乗の感想:EVという特別さを感じさせない極めて自然な乗り心地。バッテリーが重くて加減速時に重心が前後するとかはありませんでした。またnoteEVのような操作感ではなく、普通の車とほとんど同じです。車内は極めて静かで、加速時にはモーターのキュイーンという音がかすかに響きます。これはマイナスポイントではなく燃え(not萌え)ポイントです。フル充電で400km走るそうです。値段は怖くて聞けませんでした。車庫に専用の400V急速充電システムを装備するところまで込みらしい。)

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おまけのほうが多くなってしまったw。

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