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さくらインターネット(の中の人)が考える新しい働き方、新しいオフィスのあり方

こんにちは、さくらインターネットの社内組織の一つである、さくらインターネット研究所の菊地です。
(本記事は、さくらインターネット2020アドベントカレンダー2020/12/09付記事でもあります。)

はじめに

新型コロナウイルスの流行を契機に、働き方・ライフスタイルが変わったという人も多いと思います。在宅勤務にもすっかり慣れて、かつての毎日会社に通っていた日々がまるで夢だったかのように感じられる人もいるかもしれません。

さくらインターネットは、今般のコロナ禍においてかなり初期の段階から勤務のフルリモート化を推進し、またオフィスの見直しにについても早い段階で着手してきています。これらの施策は、急変する状況下においても従業員に安心安全、またベターな仕事環境を提供していきたいということから導入されてきたものです。
一方で、これらの施策導入に並行して(あるいは一部先行して)、さくらインターネット社員の新しい働き方・新しいオフィスのあり方はどういうものであるべきか、どういうものであるのが好ましいか、について社内で議論され制度が整備されてきていました。

本記事では、その議論の内容を踏まえつつ、さくらインターネットでは新しい働き方・新しいオフィスについてどのように考え、対応しようとしているのかをご紹介したいと思います。

#なおこの記事は、従前より発表の オフィス縮退に関する一考察 をベースに、さくらインターネット2020アドベントカレンダー向けに加筆修正したものです。

(さくらインターネットにおける)働き方とは、オフィスとは

すべての(会社)組織には、「現場」と「オフィス(事務所)」があると考えられます。現場とは、その組織が生業とする業務を遂行する場所であり、オフィスとは、現場業務遂行のために、従業員をサポートするための場所・設備です。この定義に基づけば、さくらインターネットにおける現場とオフィスとは以下のようになるでしょう。

・さくらインターネットの現場
  - 石狩や東京・大阪のデータセンター
  - インターネット上のホームページ、クラウドコンパネ等
  - イベント会場
・さくらインターネットのオフィス
  - 大阪、東京、福岡の事務所
  - 石狩等のデータセンターに付属のオフィスエリア

ホームページやクラウドコンパネなど現場っぽくないものも挙げていますが、「その組織が生業とする業務を遂行する場所」と考えればネット企業にとって利用者さんとの接点になるそれらは現場と言えるでしょう。またさくらに特徴的な点としてイベント会場も重視すべき現場としてあげられると思います。

オフィス縮退に関する一考察-20200929-0

なお、さくらインターネットにおいては、本当に機器だけがおいてある現場というのはほとんどなく、さくらの従業員はどこかしらのオフィスに所属して現場業務遂行のための仕事についています。これまでの技術革新と業務改善の結果、多くの作業がリモートで実施できるようになってきており、現場作業は減ってきています(なくなってはおらず現場作業に従事する従業員ももちろんいます)。

#データセンターに24h/365dで詰めて障害発生等に備える業務に従事する従業員もいます。そのようなどうしても必要なシフト系業務についても働き方を見直していく議論が進められていますが、本稿ではそこについては対象外とします。

(コロナ禍で)何が起きているのか、その整理

まずコロナ禍以前の一般論として、オフィスにはどのような機能が備わっているのか見てみましょう。

1.  総務機能(書類の処理や保管、各種の窓口)
2.  従業員の会議・議論の場
3.  従業員向け福利厚生
4.  来客対応
5.  従業員が仕事をする場(環境)
6.  従業員間でのコミュニケーション促進の場
7.  イベント開催機能
8.  対外的アピール

7.8.などは近年注目を集めていました。さくらとしてもそこには注力しており、特徴的なところと言えるでしょう。

オフィス縮退に関する一考察-20200929-1

さて、コロナ禍の発生、そしてそれへの対応として密集回避、そして業務のフルリモート化を進めた結果、どのようなことが起こった(起きつつある)でしょうか。
実際のところ、どの程度の影響が出ているかについては各職場・各職種によって異なるためさくら全体としての影響評価はできていません。筆者の周辺では体感的には以下のような具合です。

1'  総務機能の低下
2'  会議・議論の質・量の低下
3'  福利厚生機能の消失
4'  来客対応不全
5'  従業員の仕事環境の提供不全
6'  従業員間コミュニケーションの質・量の低下
7'  イベント開催の質・量の低下
8'  対外アピールの低下

オフィス縮退に関する一考察-20200929-2

小さくない影響が発生していると考えています。図示するとこんな感じでしょうか。

オフィス縮退に関する一考察-20200929-3

働き方、オフィス環境はどうあるべきか

コロナ禍に起因して密集回避、そして業務のフルリモート化を進めたことにより、コロナウイルス感染の可能性は小さくなり安心安全には寄与しましたが、それに伴い小さくない影響が発生しています。もちろん、フルリモート化を始めようという段階から、それにより業務に支障が出ないように対策が講じられました。もはや当たり前になったオンライン会議システムの導入などです(今となっては信じられないような気持ちがしますが、コロナ前は、Zoomの導入などは部分的でした)。そしてフルリモート化を推進した結果、オフィスにほとんど人がいない状況が常態化することになりました。

このような変化を受けて、働き方・オフィス環境はどのような形に変化していくべきか、考えてみました。

オフィス縮退に関する一考察-20200929-4

会議や打ち合わせは、オンラインツールにより代替可能です。実際にそうなっていますね。一方で、従業員間のコミュニケーションに関してはなかなか打ち手が少ないのが現実のところです。(実際読者の皆さんにおいても、在宅勤務が続くなかで、コミュニケーション不足を感じる人も多くなってきているのではないでしょうか。)

したがって、新しい働き方・オフィス機能を見直すにあたっては、これらの影響を解消できる施策であることが求められるといえます。

どうしようとしているのか、具体的な施策

これらを鑑みた上で、さくらインターネットにおいては働き方、オフィス見直しを以下のように検討・実施しています。

・東京支社の内部レイアウト再構築(議論・コミュニケーション促進、来客・イベント開催環境改善のための施策として)
  - フリーアドレス導入
  - 外来者も社員も使えるオープンエリア
  - 大型セミナールーム導入
  - 動画配信ブース設置(セミナーとも併用可能)
・従業員向け仕事環境提供
  - 什器貸し出し、払い下げ、通信費補助
  - シェアオフィスサービス利用可
  - 社内システムのゼロトラスト化
・コミュニケーション促進・改善
  - 社内ラジオ放送(Zoomでの社員向け放送)(複数)の開始
  - アンケート等での業務状況確認の高密度化
  - 各種診断やメンタルヘルスサポートの実施
フルリモート化(遠隔地・地方居住での業務可)
  - 契約手続き等の電子化推進
  - 各種社内手続きの電子化

これらの結果、以下のように働き方・オフィス機能が改善・増強されることを期待しています。

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オフィスの再構築は現在も進行中(工事中含む)であり、また従業員向け施策はこれから実施されるものや改変されていくものものも含んでおり、これらはあくまで暫定的なものであることをお断りしておきます。フットワーク軽く、順次見直してより良いものにしていく予定で導入・検討が進められています。

おわりに

さくらインターネットでは、コロナ禍以前より働きやすい環境を構築すべくリモート化推進などを含め各種施策・制度整備を推進してきました。今般のコロナ禍においてもそこにおいて発生する様々な事象の影響を考慮し、そのデメリットを改善しさらにメリットに変えるべく先進的な対策を打ち続けています。
このような動きによりさくらが新しい働き方を推進するオピニオンリーダー足り得ること、また、最終的にはそれら施策を通じて利用者の皆様により良いサービスが提供できるようになることを願っています。

長くなりましたが以上です。今後ともさくらインターネットをよろしくお願いいたします。



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