DCと今村

陸軍大将今村均は仁将として知られている。彼は、時間があれば、できるだけ多くの人と話をし、歓談した。それは、中堅から下層の兵士までだ。別に彼は人と話すことが好きだとか、彼の権威を示して自己満足しと思ったわけではない。彼は、リーダーとして、日頃から、できるだけ部下には手柄を上げさせてあげたいと思っていた。そのために、部下のことを知りたかったようだ。

 こうした将軍だったので、突然、状況が変化し、誰を抜擢すべきかという問題が起こっても、うまく人事をすることができた。このような能力がダイナミック・ケイパビリティなのだ。使わないともったいないのであり、機会費用が高いのである。

そのため、リーダーは日ごろから自分の部下のことや、組織の資源のことを見たり、知ったりする必要があるだろう。パソコンの前で情報を集めても自分の好みの情報しか入らず、そのような分断化された情報は、予期もできない変化にはつかいものにならないのだ。

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