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ミニマ・モラリア:最近の違和感

昔、防衛大学で教えている頃、もう誰だったか忘れたし、私がなぜそこにいたのかも忘れたが、企業の研究者が学生に組織に関する講演というか、講義をしていた。

最後に、質疑応答となり、学生から「どんな組織が良い組織ですか?」という素朴な質問がでた。これに対して、その講演者は「高い利益を生み出す組織が良い」と素朴に答えた。

すると、学生から「では、軍隊組織では多くの人を効率的に殺す組織がいい組織ですか?」ときた。講演者は困っていた。

以上のようなことを思い出すたびに、最近、株式市場の時価総額の大きさによって企業の良し悪しを評価する傾向に違和感を覚える。なぜか。

バーナードによると、企業組織が永続するには(1)経済合理的(能率的)で、かつ(2)メンバーが満足している(有効性)ことだという。(2)が無視されているように思えるからである。

株式の時価総額が高くても、社員にインタビューして、「こんな会社はいやだ」とか「機会があれば転職したい」とかいう社員が多いと、興ざめするものだ。

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