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ハウスの使い方

最初の職場ではハウスの中で仕事をすることが多かったのですが、その使い方についてはまともに教えてもらったような気がしませんでした。それほど難しくは無いので、他の人がやっているのを見ているうちに自然と自分もやっていたような感じです。

先日、小松菜と気温の関係について2通りのケースを書きましたが、ハウスの中では気温と水分に関しては人為的にコントロールすることが出来ます。

ハウスは設置して終わりではなくて、「道具のように使う」ものです。初心者はそれに気付いてないことがあります。そのあたりを含めてメリットとデメリットに分けて書いてみようと思います。

メリット

ハウスを持つことのメリットは、季節や天候の影響を緩和させることが出来ることにあると思います。屋根のない畑(露地:ろじ)ですと、雨が降るとトラクターのロータリーには土がまとわりついてパン生地を練っているような状態になってしまいます。そうなると、土をフカフカには出来ません。

一方、ハウスの中では土の水分を自分でコントロール出来るので、いつでも好きなタイミングで耕すことが出来ます。結果的に労務管理がしやすくなっていきます。

また、サイドのビニールをパイプに止めておくと、クルクルと巻き上げて風を通し、温度をコントロール出来ます。ビニールの内側に防虫ネットを張っておくことで害虫の侵入を防ぐことも出来ます。

デメリット

まずは投資額が大きいことです。ですので、規模拡大には向いてないのと、最近では災害で壊れることもあります。(一応、保険はあります)

もう一つのデメリットは、人為的にコントロールして「使う」物ですので、こまめに見ておく必要があることです。特に季節の変わり目にはビニールの開閉具合を外気に合わせて変えていかなければなりません。

投資額によって出来ることは増える

トップの写真は明かりがついています。あんな感じで、投資額を増やせば増やすほど、出来ることは増えていきます。温度管理は簡単なセンサーで出来ますが、人間では出来ないような精密な水分や肥料の調整をコンピュータにさせたりも出来るようです。

葉物は影響を受けやすい

露地とハウスでは形状の異なるものがあります。例えば、ほうれん草は露地ものでは根や茎が太く、食べると繊維を感じることがあります。ハウスものでは茎は細長くて柔らかく、触るとすぐに茎が折れてます。最近では柔らかいほうれん草も好まれたりします。

ハウスの経験でわかったこと

労働環境としては大きな違いがある割には説明を聞く機会が少なかったので、経験を元に書かせていただきました。ハウスでの経験でだんだんとわかってきた事は、農家は植物の世話をすると言うより、植物が育つように周囲の環境をどう整えてやるかを考えていることの方が多かったと言う事でした。

その経験がその後の露地栽培の管理に影響を与えてくれたような気がします。


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