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今日のドイツ語162:森の幼稚園についての絵本を和訳してみた


2017年にトロイスドルフ絵本美術館に行った際に、一目惚れして買ったのが「Der Besuch」なのですが、その時に偶然見つけたのがこの「森の幼稚園の絵本」です!(これはただ閲覧用として置いてあったので、買えなかった記憶がある…)




森の幼稚園のお話



Hannaは可愛い子ども

Hannaは森の幼稚園に通っています。子ども達は殆どの時間を外で遊びます。Hannaはそれが好きです。春になるとHannaは鳥の巣を見つけました。3つの卵が中にあります。しかしHannaは近づこうとしません。鳥さん達を邪魔したくないのです。夏に池の周りで遊ぶのがHannaは大好き。大きな葉っぱはボートになります。


秋になるとHannaはドングリとクリを集めます。それらを使って面白い動物や人間を工作します。冬になると雪が嬉しいものです。友達のMiaと一緒に雪の結晶を捕まえようとします。


新しい女の子

ママがHannaを森の幼稚園へ連れてきました。「じゃあね、ママ!」Hannaはお母さんに手を振ります。その後はクッションを取って、他の子ども達の元へ行き、地面に座ります。そこには見知らぬ女の子がいました。朝の会が始まりました。先生のSusanneはその女の子を紹介します。「この子はKim。私たちの新しいお友達よ。」と彼女は説明しました。Kimは朝の歌を一緒に歌うのがあんまり好きではありません。話すのも好きではないみたい。朝ごはんも嫌いみたい。他の子ども達とかくれんぼをするのも嫌い。なんてかわいそうなKim!きっと彼女にとってそれらすべては新しいことだったのでしょう。「ねぇ、一緒にかくれんぼしようよ!」とHannaは言いました。彼女はKimの手を取り、大きな柳の所へ案内します。柳の枝は地面に垂れています。その後ろは絶好の隠れ家なのです。「KimとHannaはどこ?」とLuisが呼ぶ声が聞こえます。Kimは初めて笑いました。HannaとKimはLuisに見つからないように息をひそめました。


カタツムリの為のお家

Paul とJurekは草原でかけっこをしていました。「ストップ!」とJurekが突然叫び、立ち止まりました。「カタツムリがあそこにいる!」Paulは一歩先に進みました。「ここにももう一匹いる!」と彼は叫びました。でもそれらは全然同じ姿をしていません!「僕のは家を持っている!」とPaulが言うと、「こっちは何も持ってないや!」とJurekが同情しながら言いました。なんてかわいそうなナメクジ!雨が降ったら、どこに隠れるのでしょうか?Jurekはある考えを思いつきました。枝と葉っぱを使って雨宿りの場所を作ろう!ナメクジは今ではもう安全です。


僕はどんな動物でしょう?

夏になって子ども達は幼稚園祭りをお祝いしました。子ども達は言い当てゲームを行います。その名も「僕はどんな動物でしょう?」です。両親たちは木の幹に座って、楽しみながら見ています。Paulが一番手です。彼は飛び跳ねて「ゲコ、ゲコ」と鳴きました。「カエル!」とお父さんは紗県びました。Paulは頷きました。


Miaが片足で立ちました。彼女がコウノトリをしているとみんな分かりました。次はHannaの番です。彼女は草の中をゆっくりと這っていきます。「カタツムリじゃない」とお母さんは言いました。Hannaは頭を横に振ります。「Ssssss」と音を立てます。一体Hannaは何の動物なのでしょうか?


くすぐりの道にて

今日、子ども達は特別な道を歩きます。その名も「裸足の道」。子ども達は靴と靴下を脱いで、裸足になります。JurekとMiaは最初に挑戦します。最初は苔が生い茂っています。「うわっ、変な感じー」と声を上げました。


「いや、柔らかいじゃん」とMiaは思います。道中には葉っぱもあります。踏まれることでカサカサと音がします。もみの木の枝はチクチクする。石はがしゃがしゃする。葉っぱはくすぐられる。細かな砂の粒は指先をくすぐる。「くすぐりの道!」とMiaは声を上げます。Jurekも笑います。道の終わりには大きな水たまりがありました。Jurekは両足で飛び込みました。Jurekの足は再び綺麗になりました。JurekもMiaもびしょ濡れです。


ひまわり

去年、Miaの庭にはたくさんの大きなヒマワリが育ちました。その中の一つはMiaのお父さんよりも高いです。「こんな大きなヒマワリを幼稚園でも育てたい」とMiaは思いました。Miaは地面にひまわりの種を蒔きました。Luisは水やりを手伝います。


まもなくして最初の葉っぱが地面から出てきました。しかし外はまだまだ寒いです。Miaはグラスをその上にかぶせました。花はどんどん成長していきました。Luisより大きくなったモノもあります。彼は棒を使って支えました。そうすることで風に飛ばされません。花は蕾をつけました。ある朝、初めて花が咲いて、太陽や山と一緒に笑っていました。


海賊の日

今日は海賊の日です。Susanneは高価な財宝を隠しました。木の幹は海賊船です。葉っぱは海。もみの木の枝は帆柱で、Paulの上着が旗です。棒を使って小さな海賊団は船を操ります。彼らは財宝を見つけられるのか?財宝は一体どこに隠されているのか?


市場へお出かけ

子ども達は市場へ出かけました。なんてたくさんのお店があるのでしょう!人々が寄せ集まっています!果物や野菜がたくさんあります!色がとてもカラフルです!


噴水で子ども達は休憩を取り、朝ご飯を出す。Kimは素敵な赤いリンゴをリュックサックから取り出した。「見て」とHannaは言って、噴水の隣にあるお店を指さした。そこには緑色のリンゴが置いてあった。まるで緑色の山のようにリンゴたちは互いに乗せられていた。Kimはその上に赤いリンゴを乗せた。面白い。ピエロのお鼻みたい。


泥のお城

夜に大量の雨が降った。砂場が大きな水たまりになってしまった。「水のお城を作る」とLuisが決意した。「手伝うわ」とMiaが言った。濡れた砂を使って二人で協力して城を形作る。でも、馬に乗った騎士はどうやって水壕を渡るのだろうか?Miaは木の皮を一欠けら置いた。それが橋になったのだ。敵が来たのなら、橋を素早く上へ上げる。LuisとMiaは水の城で楽しく遊んだ。

次の朝、MiaはLuisに言った。「見て、水の城が無くなってるわ」。なぜなら泥が乾いてしまったからだ。だけどお城は残っている。水のお城はもう無いけど、泥のお城ならある。泥のお城でLuisとMiaは楽しく遊んだ。そして水濠がなくても橋は必要だ。


バウバーゲンの中

冬です。風がピュ~と吹いて、たくさん雪が降っています。温まる為に子ども達はバウバーゲンの中へ入りました。クッションを地面に敷いて座ります。読み聞かせの始まり!子ども達はお気に入りの絵本を持ってきています。Miaは動物の子どもについての本、Luisは面白い怪物が出てくる本。Hannaは幽霊の絵本。Kimの本には雪だるまが登場します。「これが聞きたい」と子ども達はお願いしました。Susanneは雪だるまのお話を読み聞かせしました。みんな興味津々です。本が終わった時に、Jurekが「雪だるま作りたい」と言いました。風は弱まっていました。まだ少し雪が降っています。さぁ、出発だ!


背表紙

笑って、走り回って、自然を見つけて…
森の幼稚園にまつわる最高なお話

・外遊びが大好きな幼稚園児にとって理想的
・森の幼稚園初日、自然の中で遊ぶ、お出かけ、お祭りといったあらゆるシーンを網羅
・何度も繰り返し観察できるイキイキとした絵と読み聞かせに最適な物語


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