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アメリカから来ていた男の子とお別れ


3月くらいから通っていた男の子が、今日で最終日だった。

長期休暇ということでドイツに来ていて、その間は自分の実習先に通っていた。お父さんがドイツ人なので、その子もドイツ語がある程度は話せる。

その子は身体が大きくてモノを運んだり投げたりするのが得意だった。その一方で、心優しい一面があり、モノを分けたり、他の子どもを手伝ったりすることが出来ていた。

通い始めの頃は、自分が引っ張っているボラバーゲンを後ろから押してくれたり、一緒にスターウォーズごっこをして遊んだりして、結構コミュニケーションを取っていた。

3カ月くらいの滞在だったけど、他の子と仲良く遊んでいたし、その子がいなくなることを「悲しい」という子どももいたので、その子は楽しい時間を過ごせたのではないかと思う。

その男の子がいつも遊ぶ女の子がいて、その女の子は別のグループなんだけど、今日は特別に男の子のグループに入っていた。


男の子は最終日ということで「チョコマフィン」を持ってきてくれた。おばあちゃんが作ったと言っていた。

土曜日にドイツを出発する予定らしいが、直接アメリカに帰るのではなくて、ギリシャとかいろんな国を周りながら帰るらしい。


個人的なその子とのハイライトとしては、6月7日の遊びだと思う。その日はお絵描きの時間以外ずっと一緒に遊んでいた☟


で、その男の子から今日プレゼント(10ユーロの割引券)を貰って、そこに書かれていたメッセージに上記の遊びについて書いてくれていた☟

thank you for throwing rocks and knocking down sticks! I had fun drinking sprudelwasser with you!


「sprudelwasserを一緒に飲むのが楽しかった」っていうのは、その子と自分がよくやっていたやり取りのことだと思う。

ご飯を食べる時に子ども達は「普通の水」か「炭酸水(Sprudelwasser)」を選べるのだが、自分が水を配る係りの時に、その男の子が、

「普通の水と炭酸の水を下さい!笑」

と言うのである。そこで自分が、

「それって、結局”炭酸水”じゃん!じゃあ、炭酸水しかあげんわ!笑」

と返すやりとりが定番なのである。笑

その子はアメリカ出身だからか、よく面白いことやジョークを言ったりして、周りを楽しませようとしていた。その1つとして、「普通の水と炭酸水を下さい!」と言ってくるのである。

そういう何気ないやり取りのことを書いてくれて嬉しいなと思う。

で、今日は登園の時間にちょこっとその子と交流した。その時にその子が「キーくんを作った!」と言って見せてくれたのが、砂や石とかで作った顔である。

「めっちゃ良いやん!」って言った後に、「どうせなら俺の眼鏡を置いて、本当の”キーくん”にした方が良くね?」と提案した☟


その後に、日本人の子と協力して、手とか体を一緒に作り上げた☟

グラサンはその子が持ってきたもの


まぁ、自分としては、その子から「Ich liebe dich(愛してる)」と言ってもらえるくらい、楽しい時間を提供できたので、満足のいく仕事を行えたと思う。

ただ、自分の思いとしてはこれに尽きる☟

自分のことを忘れて欲しくないけど、忘れて欲しい

こういう思いを持ってますね。幼稚園の段階で子ども達と楽しく遊ぶことで、子ども達にとって魅力的な先生として認知してもらい、子ども達の思い出の中で生き続けたいなという望みがあります。しかし、その一方で、自分の事なんて一刻も早く忘れ去って欲しいとも思います。幼稚園を卒業した後の人生において、その時の楽しさを上回るような経験をどんどんと積んで欲しいと思うからです。幼稚園の楽しい思い出なんて遥か遠く、深い谷底に落ちてしまうような、楽しい思い出をたくさん創ってもらいたいなと思っています。

こんなこと考えてる幼稚園の先生っているんですかね…?笑

⑤倉橋惣三が思う「先生の二面性」とは?(幼稚園雑草より抜粋)


その子にはこれからドンドンいろんな経験をしてもらって、自分のことなんて早く忘れて欲しいなと思ってます(覚えていて欲しいという気持ちもあるけれど…笑)。

「Ich liebe dich」を色んな人に言えるくらい素敵な時間をこれからたくさん過ごしていって欲しいと思う。


その子の人生に幸あれ!

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