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【脚が変形した話⑥】救世主登場!アナタハ人工関節ヲ信ジマスカ~?

このお話は膝の使い過ぎで股関節が痛くなったと思いきや、実は骨盤の形成不全を膝が庇っていたことがわかった、ある患者のお話です

20代に無理をしたしっぺ返しだとばかり思っていた、脚の痛み。
実は遺伝的な形成不全説が急浮上してきました。
言ってくれれば気を付けていたのになあ。

さて、慣れない松葉杖のリズムにも慣れテンポよく使えるようになったものの接客業は休業、杖を見た人からは「どうしたの⁉」と驚かれるのにも慣れ、「実はね…」と説明も上手くなった頃ようやく専門の先生に診察されることに。
どうやら相当の名医らしく、松葉杖に貼ってあった病院名を見て「〇〇先生でしょ?」と声をかけてきた知人もいました。

「年配の家族がお世話になっていてね…身内としては手術を受けて欲しいんだけど、股関節だけじゃなくて膝も腰も全部悪くて…」
どうやら年齢以上に落ちてしまった筋力や体力など、手術をした後に本人が乗り越えられるかどうかを悩んでいました。
「いろんな選択肢があるうちに、いろいろ考えたほうがいいよ」
ありがとうございます。

そんなこんなで診察日。先生は思った以上にお若い方でした。
これまでのいきさつを話し、関節の可動域を確認。
「結構いきますね、元々体が柔らかいんですね」
「はあ、ありがとうございます。だいぶ松葉杖で救われた感がありますね」

そう、杖のおかげで神経を走るような痛みは少なくなっていました。
痛いことに変わりはないのですが。

「レントゲンとMRIも拝見しました。MRIですが…ここ、骨のところが白くぼんやりしてるでしょう」
痛みのある大腿骨の上の丸い箇所がぼんやり白くなっていました。
「これ、本来はこういう感じに黒く写るんですが、ぼんやりしているということはここにヒビ等の隙間が細かく入っていて、水分が入り込んでいるんです」

え、ヒビ??

「つまり、骨の表面だけではなくて内部の方まで変形が進んでいるということです」

表面が削れている程度に考えていた変形は、想像以上に進んでいました。

「どうします?松葉杖を使い続けていればヒビは収まってきます」
「でも、その間に杖が無いとダメということですよね?」
「そうですね、負担はかけられないので。症状が軽くなれば杖無しでもいけると思いますが」

どっちにしろ、今の接客業は建物の構造的にも私の構造的にも無理な話。
例え杖を使い続けて症状が軽くなったとしてもこの先の冬の環境や、雪の除雪作業など再び痛める要素はたくさんあります。

「後は、方法として人工物を代わりに入れるということですよね?」
「そうですね、でも自分の骨がいいという方もいらっしゃいます」

確かに自分の骨で済むならそれが一番です。
しかし状況的に痛みを繰り返し様々制限される未来しか見えてきませんでした。一方で人工関節は昨今の技術向上でかなり進歩した分野です。

「人口関節を希望した場合、かなり待つことになるのでしょうか」
「ええと…ちょうど1か月後に僕のスケジュールが空いているのでやるな
らこの日です」
「では、その日にお願いできますか」

こんな感じにトントンと話しは進み、たまたま空いていた先生の予定に合わせて手術をすることに決めました。
股関節の痛みは膝の痛み、更に足首の圧痛と右半身の脚の関節が全て連動して痛みが出るようになり、寝ることも運転をすることも、階段を使うどころか日常生活がままならない状況だったからです。

名医と評判の先生と、人工関節の技術を信じよう。

ここから先は一気に手術に向けての準備に動いていくことになります。

次回【脚が変形した話 ⑦】2~3週間の入院に準備した便利なものたち!へ続く



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