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黒死病を克服したPENTAX K-30!

ヤフオクで PENTAX K-30を入手


ヤフオクで PENTAX K-30 +smc18-135mm DA オリーブグリーン色 ジャンク品が目に留まり、競り勝って落札!前にクリスタルブルーのK-30も手に入れていたんですがね。

またPENTAX病です。バッテリーレス、14000円+送料は高かったかなあ。落下した傷があり、ついていたストラップもボロボロ。

黒死病と診断


まあ、色がかっこいいから、万が一動かなくても飾っておけばいいかな?と思っていたのですが、電源は入って機能的には問題なさそう。しかし!オートも含め全て撮影した画像は真っ黒!あ!これが黒死病か。前のK-30は問題なく手放すまで使えていたんですがねえ。

真っ暗。増感すると何が写っているか?

なんだかPENTAX沼に入っていた感じで少し嬉しかった。Youtubeで分解修理しなくても黒死病を治す動画あり、また成功した!というコメントが多数あったので、まあ治るよねと甘い考えでいた。

磁石をグルグルで黒死病治るの?


強力な磁石を高速回転させレンズ指標の赤いマーク付近を移動させると、治るというもの。絞り制御するソレノイド(ネオジム磁石と磁気コイルとU字金具)が帯磁し動かなくなって絞りレバーが動かなくなるということで、U字金具を消磁すれば治るというもの。

強力なネオジム磁石を100円ショップで購入し、扇風機の羽をとり軸に直列繋ぎした磁石をくるくる回し、K-30を前後左右に振ってみました。効果はなく、数回繰り返しましたがダメでした。ネット上でも「分解なしの外からの消磁は効果がない。プラセボ、民間治療の域だ」とのこと。

ダイソーで購入
扇風機の軸にネオジム磁石を取り付け(パーマセルテープで固定)
水平でもやってみた。
おまじないみたい。

黒死病対象機種は


K-30,K-50,K-S1,K-S2付近のソレノイドは劣悪品が使われている個体があり、コイルの磁力とネオジム磁石のバランスが悪く、絞りが最大(絞った状態)で固定されてしまうらしい。私の手に入れた個体は8000ショットぐらいでも症状がでているは残念ですねえ。

では、どうすればいいのか?絞り環があるMFレンズでつかう。まあ、MF機で活躍することもありだね。

ソレノイドの移植手術を行う(ドナーの選定)


それと、ソレノイドを良品を使用しているフィルムカメラから移植する方法が確実とのこと。しかし、カメラを分解し配線をはんだで溶かしてソレノイド交換するという、そんなに器用でない私に取ってはハードルが高い!ヘタをすると撮影そのものができなくリスクがあります。

しかし、しっかりと使ってみたいなあという欲求とチャレンジしてやろうという気になり、まずはソレノイドドナーとなるジャンクカメラ探しを始めました。前の記事に記載したように、ジャンクカメラもなかなか手に入らず、価格も高い。ドナーとなりうるPENTAX MZ シリーズのMZ-7を900円で手に入れました。

ドナーとなるMZ-7

MZ-5、10のソレノイドは形状が違うとのことで、注意です。そういえばMZ-5,10がそれなりに残っていたなあと感じました。MZ-7自体はシャッターギアの破損でシャッターが降りないトラブルもあったとか・・・。

さて、MZ-7の分解、ドナーの摘出です。まあ、使うこともないので、雑に分解してソレノイドを取り出しました。

見るも無惨なお姿に

え、基盤が絡みついている。ハンダを溶かしソレノイドを取り出しました。はんだもこのためにダイソーで550円で購入。

これが正常なソレノイド
右が帯磁すると言われていたU字金具(馬蹄形金属部)です。

ドナーから移植をおこなう


さて、K-30の分解です。底部のネジを全て取り、バッテリーの蓋内部のネジもとります。

バッテリー蓋内部に2本ネジあり

次に側面(ラバーをめくる必要があります)

、フラッシュ、ファインダー、ストラップ環付近のネジを取り出します。

ここのネジ外すの忘れていました。

底部、ボディ前面、軍艦部(上部)の順にカバーを外します。

配線に注意
ソレノイドが見えてきた。

軍艦部のカバーは配線とボディと繋がっているので雑に引っこ抜くと破損する危険性があるので注意です。

ネジ穴は同じ径ですが長さが場所によって異なるので、位置関係を紙に書いてネジをテープで貼り付けておきました。これで、再度組み立てる時楽にできました。

使っているのはNikon100周年記念、ニコンファインミーティングでもらったノート!

また、左手部分にはフラッシュ用蓄電コンデンサがあり、触ると感電・カメラもおじゃんになる危険性もあるので注意です。

見えにくいのですが、左手で持つ付近がコンデンサ

患部のソレノイドが見えてきました。

こちらは配線がはんだで取り付けてあるだけで、扱いしやそう。ネジは赤い接着剤で固定されていたので、アルコールで溶かしました。

また、ここの位置、グリップの出っ張りで精密ドライバーを斜めに回す必要があります。

やりにくい!

なんとかネジをとり、ハンダこてで線を溶かしソレノイドを摘出!

ソレノイドの正常品と不良品


MZ-7のソレノイドは白い袴で耳があるようなタイプ。赤い接着剤がリボンみたいでキティちゃんみたい!一方K-30のソレノイドはのっぺりしたタイプで袴は緑色。U字金具は帯磁していませんでした。消磁で治るというのはウワサでしかなかったですね。でも治った個体はどういうトラブルだったんでしょうね。

左がMZ-7から取り出したもの、右がK-30のソレノイド

修理の結果は?


何度かハンダ付けを失敗しながらもMZ-7のソレノイドをK-30に取り付け完了!まずは、ネジでカバーを取り付ける前に電池カードをいれ、試写!おお!明るく写っている!!成功です。

復帰後ファーストショット

あとは、ネジをしっかり締めて終了です。結局トータル20000円ぐらいかかっちゃったかなあ。

実は、組み立てたあとフォーカスセレクターレバーの位置が本体の溝と一致しておらず不良でした!もう一度ネジを外し設置し直しました・・・。

きちんと本体とレバーの位置が一致した状態でカバーをつけないといけません。

しかし、この小さな単純な部品で絞りが効かず撮影不可になるなんて、PENTAXの製品設計・品質管理はどうだったのでしょうかね。

親知らず、尿道結石のように保管しておこう!

また、保証期間が過ぎても無償で修理しますような対応も取らなかったし、その点FUJIFILMのXF1のレンズ制御以上による露出オーバー(こっちは真っ白になる)はわたし保証期限キレても2回も無償で修理してくれましたよ。

PENTAXはいまフィルムカメラを新企画で発売予定だですが、品質は良いものをお願いしますよ!

こちらの作業は偉大な先人たちの情報を元に作業をおこないました。感謝申し上げます。

また、分解修理は自己責任で、この作業で必ず治るとは限らないことを注意しておきます。

少しでもお役に立てられ、気に入っていただければありがたいです!