あの花が咲く丘で君とまた出会えたら
{シネマガイド}
髙3の百合は、担任教師と進路相談をしていた。同席の予定である母親は、パート先から遅れて来た。
教師は、進学を勧めていた。しかし、パートを掛け持ちしていても母親一人の稼ぎでは進学は無理であった。
この貧困の原因は、百合は、父親の所為だと思っている。それは、川で溺れかかっている子どもを助けようとして自分が溺れて死んでしまったからだ。
母親は、お父さんは正義感の強い人だったからとかばう。
百合は、思う。その正義感が、家族を貧しくしているんだと。
今上映中の「あの花が咲く丘で君とまた出会えたら」の冒頭部分である。
タイムスリップした百合
母親と進路について言い争って雨の中、家を飛び出して彷徨い歩いて疲れた百合は、崖に開いた古い防空壕に入って雨宿りする。休んでいる内に居眠りをしていた。
気がつくと今いる所は、昭和20年戦争が激しさを増して沖縄を攻める米軍の戦艦めがけて若者が飛行機で突入する特攻隊の町、知覧であった。
特攻隊員の恋人
百合が、特攻隊員専用の食堂で住み込みで働くことを世話してくれた特攻隊員の一人彰の優しさにほだされていつの間にか想いを募らせていく。
百合、福原遥は、NHKドラマ「正直不動産」月下咲良役、朝ドラ「舞いあがれ」岩倉舞役彰、水上恒司は、今放送中のNHK朝ドラ「ブギウギ」村山愛助役とイメージが重なる。
当時、特攻隊員は、国のために命を捧げることに大いなる価値があると思われていた。
海軍、陸軍の若きエリートたちが志願した。
生きて帰れない「特攻」
搭乗員が乗った軍用機や小型機で米軍の艦船に体当たりする攻撃で、決して生きて帰ることのない戦い方は、多くの若者の命を失った。
若者は、死を覚悟して家族に遺書を書いて特攻に出撃していった。
知覧特攻平和会館、予科練資料館に遺書や手紙が
展示してある。
百合は、特攻隊員が、出撃命令が来れば敵艦めがけ突撃体当たりして生きては帰られないことを知りながら彰の優しさに惹かれていく。
ある日、ユリの花が一面に咲いてる丘でデートをする。
そんな甘やかなる日もあったが、ついに彰にも出撃命令が下り神風特攻隊は、百合に別れを告げる日がやってくる。
特攻隊資料館
百合は、社会科見学で特攻隊資料館を訪れて特攻隊員たちが残した遺書や手紙を見て涙を流しながら悲しみに胸が塞がる思いをする。
百合は、彰の遺書を見つける。「百合へ」”心から君を愛してる”と
久しぶりに映画館で映画を見た。朝9時25分からの上映で、数えるほどの観客、好きな席を選んでゆったり見られた。
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら」は、時空を超えて愛し合うラブストーリーで当時は、共に愛し合ったり、生きることの大切さ、優しさが制限されてる中、二人の心の通じ合いが新鮮に感じられた。思わず涙した。
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