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【ライブ感想】更新し続けるわーすたの現在地【わーすたワンマンライブ~どきどき更新ちゅー????~】

2023年11月26日にSUPERNOVA KAWASAKI(スペルノーヴァ カワサキ)で開催された「わーすたワンマンライブ~どきどき更新ちゅー????~」を観てきた。その感想。

著者プロフィール
「遮二無二 生きる! / バスタブ・アロマティック」〜「わーすたBEST」辺りからのファン。
わーすたの好きなところは、岸田勇気プロデュースの音楽とメンバーのライブパフォーマンス。

さて、今回のライブは「新曲初披露」「『武道館宣言』以来、初のワンマン」というテーマがあったように思う。
ライブ前日にTwitterで新曲の初披露が仄めかされ、YouTubeでは夏に横浜1000CLUBで行われた生バンドライブの様子を収めた舞台裏映像が投稿された。
生バンドライブで思い出すのは、真夏のうだるような暑さと、過去最高を更新した圧巻のライブパフォーマンス、そして「武道館宣言」。
「私たちわーすたは、武道館を目指したいです」とアンコール後のMCで廣川奈々聖は言った。言葉の裏にある覚悟は、その日のパフォーマンスで十分に伝わっていた。

※「『武道館宣言』以来、初のワンマン」というのは正確ではない。10月には小玉梨々華生誕、沖縄ワンマンライブ、11月にはライブ有のバスツアーがあった。沖縄は選民イベントなところもあり、他の2つもライブを主としたイベントではなかったとはいえ、恣意的な書き方を許してほしい。

そして、11月26日。言うなれば武道館へ続く道の一歩目として開催されたのが、この日のライブだった。私が期待していたのは、武道館を目指すわーすたのこれからのビジョンを見せてくれることだった。
「武道館宣言」が空虚な夢に聞こえないように、勝算があると感じさせてほしい。今のライブパフォーマンスから、武道館に立つ姿を予感させてほしい。そんなことを思っていた。

アイドルが武道館に立つために必要なものはなんだろうか。
当たり前だが、キャパをある程度埋められるだけの人気は必要だ。
それに加えて、シーンにおけるグループの勢いも大切だ。固定客以上の集客を見込むには、外からの注目度が必要だからである。
最近では、FRUITS ZIPPERが結成2周年の記念ライブを武道館で行うと発表したのが記憶に新しい。

一方でわーすたは現在9年目。メンバーの年齢はまだ若いが、シーンにおける注目度という意味でのフレッシュさは無い。
では、どのような説得力をもって武道館公演を行うのだろうか。
言い換えれば、どのような手段で再びファンを獲得していくつもりなのだろうか。

その答えの一つが、前半の3曲だったのかもしれない。
「KIRA KIRA ホログラム」で始まり、「グーチョキパンツの正義さん」、「プリティー☆チャンネル」と、アニメのタイアップソングが続いた。
岸田勇気サウンドにわーすたらしさを感じる、私のようなコロナ以後のファンからすると、この選曲はオールドファンへの目配せに思えた。
今年からライブで声が出せるようになったから、コロナ禍で離れていた以前のファンが戻ってくるかもしれない。そのときは、決して離さない。そんな意図があったのではないか。

オールドファンへのサービスの傍ら、私のようなファンを楽しませることも忘れない。MC明けの4曲目は作詞作曲:草野華余子の名曲「四季ドロップス」。初披露は配信ライブだったのを思い出す。夏の1000CLUBのアコースティックバージョンは素晴らしかった。そして、何度聴いても良い曲だ。

その後は「グレープフルーツムーン」、「完全なるアイドル」と続いて、ついに新曲「えいきゅーむちゅーでこうしんちゅっ!♡」が披露された。
ノリがよく、サビのメロディーは気持ちいい。そして岸田勇気のアレンジによってわーすたサウンドに仕上がっていて隙が無い。
2番の歌詞なんかはTikTokで流行らせることも期待している感じで、ライブ主体のアイドル戦国時代のやり方だけではなく、動画メディアを使った現代戦も仕掛けていきたいという意気込みが窺える。

後半は、定番の冬曲である「Love Unmelt」や、ライブ終盤の盛り上げ役である「SHINING FLOWER」、「大志を抱け!カルビアンビシャス!」などが彩った。
後半のセットリストに関しては前半ほど狙いが明白ではないように思えたが、それも悪くなかった。どの曲も、確実にパフォーマンスが高いレベルで安定していて、見応えがあった。特に歌唱に関してはかつてない安定感で、明確にレベルが上がっているのを感じた。
ダンスに関しても、以前はスキルがあるからこそ省エネダンスに見えてしまうような感じもあったが、今年の東京女子流ツーマンあたりからそれが丁寧さに変わってきていて、今回はそれに加えて「可愛さ」を表現するテクニックが上乗せされていた直近のインタビューで答えていたように、わーすたは「カワイイ」にこだわりを持っていて、それはライブパフォーマンスにも表れている。技術は拙いながらも愛嬌に振ったパフォーマンスや、がむしゃらな全力ダンスとも違う、可愛さと積み重ねた技術が破綻なく両立したダンス。可愛さとは未熟さのことではないのだと、技術と実力をもって示してくれている。

思えば夏の生バンドライブは、私に言わせればわーすたが数年ぶりに最高を更新したライブだった。新体制になって2年、ようやく最高を更新できる体制が整ったのだろう。
そして今回のライブでもパフォーマンスのレベルが上がっているのを感じられて、これからのわーすたは最高を更新し続けられるグループになると期待できた


以前、松田美里は言った。

「アイドルも難しいんですよ、変わらず進化し続けるって」

わーすたのもっと!ゆうめいににゃるTV!

そんな難しいことを成し遂げていった先に、きっと、必ず、日本武道館のステージが待っているのだと思う。


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