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初舞台がフィーリング、今まで続く即興精神

24歳の頃だったと思います。小劇場の舞台に立つこととなりました。いわゆる初舞台。ずっと客として観劇していた「ヒンドゥー五千回」という劇団の舞台です。

「聞く人ラジオ」にも出演いただいた扇田くんが主宰の劇団でした。

当時ヒンドゥー五千回は「12ヶ月間連続公演」と銘打って、毎月公演をしていました。その最後、12ヶ月目の公演に出演することに。そして初めての舞台なのに、いきなり主役。

え、なにそれ。

本番に向けての稽古ということで扇田くんと出演者で集まり、あれこれやりながら芝居を作っていく。台本もあるようでなかったりします。それでも日が経過し、なんとなくの構成が作られていき、だんだんとその内容が見えてくる。

そして迎えた本番。どうにか話の筋はできて、舞台空間もできましたが、できていないものがあった。

ラストシーンができてない。台本とか、無い。

お客さんは劇場に入ってきています。
僕は扇田くんに聞きます。
「ラスト、どうする?」
扇田くんは答えました。
「フィーリングで」

というわけで、ラストはフィーリングで舞台に立ちました。
即興的に演技をし、そしてどうにか演劇になった、でしょうか。
そのときは、演劇ってそういうものなのか~と思ったものです。
(本当は、違います。普通はちゃんと台本はあるし、稽古もします)


初舞台がフィーリング、そんな経験があるからか、その後の人生において「フィーリング」そして「即興」が自身の重要な部分になったように思います。

「聞く」という行為において、話を聞きながらの「フィーリング」「即興」に身を委ね、瞬間瞬間に判断して応対を重ねる。
その一瞬一瞬を大切に。
そこの部分は今までも、これからも変わりません。おそらく。

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