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長くモノを使う

家の中には買ったのに使われてないモノがある一方で、何十年とお世話になっているモノがある。私の持ち物だと赤ちゃんの頃から使っている布団がそれに該当する。布団はボロボロだけど、カバーを付け替えて生まれてこの方ずっと寝るときのお供である。もしくは、寂しいときや悲しいときに私を慰める役割を担ってもらっている。たぶんこれらかも使い続けることだろうと思う。

母が家を出るときに持ってきた半纏がある。内ポケットは取れかけているが、色は褪せておらず、目立ったシミもない。何十年もあるようには見えない。それもそのはず。実は3年くらい前に押し入れの中から発見されたのである。とりあえず、使えるようにハンガーにかけて置くことになった。

そして発掘されてからは私が使っている。パーカーを羽織るよりもあったかい。綿が中に入っているから布団をかぶっているのと同じような状態になるわけだ。私の場合、肩が冷えると寒く感じるため、肩の部分が暖かいことを魅力に感じている。袖口が広くて腕まくりできないから料理や洗物の時には着れないけど、こうやって文章を書いている時は最高のお供である。今年の冬は半纏があれば元気に乗り越えられそうだな。

「モノは使われないと死ぬ」確か断捨離について書かれた本で読んだ。私に使われているものだけをなるべく手元に置いて、そうでないものはリサイクルショップに売るか処分するかにしている。命って言われるとモノを管理することにも責任が生まれる、そんな気分になる。

この半纏は2度目の命を生きていることになる。一度押し入れの中で忘れられて、死んだ。でも発掘されて、使われて、クリーニングにも出されて、そしてまた使われている。たぶん次の冬も使う。寒い時期だけの活躍だけど、一年のうちのどこかで使われていることで、半纏は命を得ている。この半纏の命は私にかかっている訳だ。大事にせねば。

そんな長く使われているモノの話

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