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もっと伸びるべき再生数1000以下の名作コント3選


皆さんコント好きですか?

私はコントディグラー(めちゃディグってる人)で、有名芸人のコントから地下芸人のコントまで合わせて年間100本近くはコントを見ています。

そんな中でも今回は、個人的にYoutubeで
「なんでこんなに良いもの作ったのに再生されてねえんだよ……。悔しい悔しいよ!」
と戦慄したコントを勝手ながら布教させていただきたいと思います。

選定基準

  • Youtubeに上がっていること

  • 動画公開から1ヶ月以上経過していて再生回数が2000回以下であること

  • お笑い芸人によるコントであること

  • 違法アップロードでないこと

以上4つの観点から選ばさせていただきました。また、私の好みですが「発想の新しさ」や「物語性」に寄った評価軸です。

ダックワーズ「かずくん」

これを観た時、「ズルい」という感情と同時に
「コントってこんなに自由なんだ」と気付かされた。

ボケは一貫してモノボケ。

モノボケって、面白い小道具作ったもん勝ちじゃんっていうズルさ。

ただ考えて欲しい。
実際「ただ面白いモノ出す」だけじゃ人は笑えないと思う。

このコントの面白さの肝はフリの部分。
「彼女が彼氏の顔が好き」っていうのが効いてて、くだらなさに拍車をかけている。

もう睨めっこ(小道具)に負けたら後は笑うしかない。

今までコントといえば、会話劇だろうと勝手に世界を狭めていた自分にとって、その手があったかと思わせてくれた衝撃的なコントでした。

K「競輪選手とファン」

4分ネタをワンアイデアで突き抜ける奇策。

結構立ち上がりは遅くて(1分くらいまでは目立った笑いなし)、男女だしマセキだしパーパーさんみたいな感じかなあと思ったら、良い意味で裏切られた。

いえいえの手が止まらなくなるという、改めて文字にしてもよくわからないストーリー。
この設定どうやったら思いつく?
そしてこのワンアイデアで最後まで突っ切る力。
どんどん世界観がおかしくなるが、お客さんも置いてかない絶妙なライン。

ボケが上手い、ツッコミが上手い
ではなく
ちゃんと物語で笑わせている。こんなコントを私も書きたい。(自戒)

プノまろ「受験まであと1年」

コントというよりアート。この世界観をやり切ってしまうのだから笑うしかない。

最近若手だとKOCなどの賞レースを意識した競技コントが多めになる。
競技コントだと、ボケ数・最初のボケまでの初速・右肩上がりのウケ・共感されやすい設定、キャラ、など計算して作る必要がある。

賞レースの評価基準は「面白いコント」。
でも結局自由形なのにみんなクロールの練習をするようなもので、賞レースで勝つことを意識したコントは本人たちがやりたい笑いから遠ざかってしまう。

そんな流れの中でこのコントは、ほんとに自由に泳いでいる。

二人が面白いと思った世界を構築して、笑いを取っている。これはとても格好良いことで勇気があることだ。

笑いの根幹は「共感・あるある」だという。
私はこのネタに共感はできないが、本当に腹を抱えて笑った。

さいごに

すべての芸人に幸あらんことを。

著者紹介
酒井さっそく(27)
松竹芸能所属の芸人。日本脚本家連盟本科生。20歳のとき、自身が脚本したラジオドラマ作品がNHK全国放送コンテストラジオドラマ部門第一位。その後脚本制作活動に従事。
大学卒業後は一般企業に就職したものの、25歳のとき芸人を志し、翌年松竹芸能所属。
現在は脚本家の傍らピン芸人として地下ライブに出演しています。相方募集中です。
問い合わせ先:maeshiro170@yahoo.co.jp

酒井WORKS

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