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山田太一「シルバーシート」 世のスネ夫・スネ子へ。老兵たちの果てのないスネっぷりを見よ。
年を取った人間はね、あんた方が小さい頃、電車を動かしていた人間です
踏切を作ったり、学校を作ったり、米を作っていた人間だ
あんたがころんだ時、起こしてくれた人間かもしれない
◆土曜ドラマ 山田太一シリーズ・男たちの旅路 第3部「シルバーシート」(1977年 芸術祭TVドラマ部門大賞)
養老院で暮らす老人4人が、車庫に停まっている無人の路面電車を占拠します。
何を要求するでもなくただ閉じこもるだけ。
説得を続ける警備主任の鶴田浩二。やがて彼らは少しずつ本音をもらし始める。
「我々は営々と働き続けてきた挙句に使い捨てられたんだ。あんたも同じだ。いつかはわかる」
「でもこれじゃあ、拗ねた子どもが押し入れに閉じこもるようなもんじゃないですか」
さすがの鶴田もさじを投げかける…。
笠智衆、藤原釜足、加藤嘉、殿山泰司という名だたる老兵たちのスネっぷりが味わい深い。
とにかくもスネ夫・スネ子の果てのないボヤキ節をこれでもかとばかり奏でてくれる山田作品。
いったい、スネていない人間なんて世にいるのだろうかと、自らを顧みて、ほっとさせてくれます。
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