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離職するのは

新卒者の入社3年以内の離職率は平均35%というデータがあります。

平均ですから、
業界や職種によってのバラつきはあって
離職率率が高い業界だと
▲飲食・宿泊 
▲娯楽サービス 
▲塾
▲医療・介護
▲小売り
あたりは40%~50%。

これらの業界に共通する労働形態は
そのまま離職理由の高さに繋がっていて、
(1)サービスの対象が「一般個人」であること
(2)労働時間が長く休日が少ない割に給与が低いこと
(3)売上ノルマが課されること(医療・介護を除く)
ということが挙げられます。

(1)サービスの対象が「一般個人」であること

お客様意識が高い個人相手ですから、
時には理不尽な仕打ちを受けることもあるでしょう。

上にあげた業界ではでは
こうしたケースは少なくないと言われます。

そうしたことへの対応に疲弊してしまった結果
離職する人が後を絶たないことは容易に想像できます。

(2)労働時間が長く休日が少ない割に給与が低いこと

利益が出しにくい業界構造のため十分な人員配置ができず、
従業員一人あたりの業務負荷も高く休日も少ない。
その割に低賃金だというのが実情でしょう。

これが負のサイクルとなって
慢性的な人員不足の状態を招いています。

(3)売上ノルマが課されること(医療・介護を除く)

販売を主とする業界ですから
従業員には売上貢献が求めらるのは言うまでもなく、
販売に直接携わらなくても
たとえば塾講師は塾生の確保や受験の結果には
ある種のノルマが課されると言えるでしょう。

こうした極めて離職率が高い業界を含め
全業種における離職理由を見ると、
第1位 仕事内容が自分に合わない
第2位 上司との人間関係が煩わしい
第3位 労働時間が長すぎる
第4位 給与待遇面が不満
第5位 会社に将来性を感じない
となっています。

特に女性の場合はこれに加えて、
結婚・出産により勤務を辞めざるを得ないから、というのもあります。

さて今回、どこに目を向けるべきかと言うと、
離職理由を
経営者が「どうしようもないこと」として諦めていないか?

ということです。

私は定着率がなかなか向上せずに困っている経営者と話すことがありますが、
口をそろえて言うのが、
「給料は安いし、人も少ないから休みも少ない、しかたがないよね」と。

給料を上げることは急にはできません。
業績と連動するものですからね。

採用した半分近くが入社数年で辞めていく。
なかには1年経たずに離職する人もいます。

業務がまわらないから、また人を募集し採用する。
でも本質的に何も改善されていないから、また辞めていく。
で、また募集・採用する。
そしてまた辞めていく。

この負のループから抜けられない。

個人的意見ですが、
潤うのは人材サービス業界だけだと。
(ごめんなさい、業界の方)

特に上の5業種は仕事内容が「キツい」ものですが、
そのキツさは簡単には改善できません。

でも、
給料が安いから、
労働時間が長いから(休みが少ないから)だけが
離職の理由ではないことは明白です。

それは
経営者との一体感や
一緒に働く人たちとの関係、
もっと言えば
キツくて大変だと思ったときに
相談できる上司だったり仲間だったりがいるのかいないのか。

これについては風土づくりを進めることで新たに創れるものだろうと思うのです。

上のどの業界も
組織ではあるものの、
一人ひとりの「個人力」に頼らざるを得ない業界です。

例えば医療・介護業界などは
入社後は「あなたの力で勝手に頑張って」的な悪しき慣習もあります。

看護師さんなどは、
そのために勉強して国家資格も取得したんだから、
と言わんばかりに入社後のフォローや一人ひとりへのケアは皆無と聞きます。

こんなんじゃ辞めたくなりますよね。

でも、できることもありますよね。
経営者の意識改革ひとつで。

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