見出し画像

作る⇒創る、真面目過ぎてはダメ?

前回までに「作る・造る・創る」の話してました。
もう少し『お菓子を創る』を続けます。

お菓子作りをしようとする人は大抵が真面目で、几帳面で、善人で。
レシピに「お砂糖を3回に分けて入れる」って、書いてあるとします。
普通は「3分の1」を3回に入れると思っちゃいますよね。

実は(全体を10として)2+3+5=10
7+2+1=10も、5+3+2=10も「3回に分けて」
なんですよね、分かります?(欧米人は始めからこう考えます)

まじめに3同割を3回と考えてはダメなんです。
レシピを深読みする。もしくは、疑ってかかる(善人・良い人ではなくて)
レシピって分かっている人が分かる人に向かって書くので、分からない人には間違って伝わりやすい。(数字を丸暗記させるお店や、ノートを取らせないお店も「本質」がそこに有るからです。意地悪で言うんじゃないのですよ)

例えばメレンゲに入れる砂糖は「2.5+2.5+5」もしくは「2+4+4」でしょうか?導き出したいメレンゲの強度や、使用目的によっても違います。

ガトーマルジョレーヌ

シュー生地に「卵を3回に分けて入れる」って、書いてあって
じゃあ「2+3+5」で入れたら先輩がもう一個足したりするんです。
4回目が現れるんですよ。
同じ結果を得るために、違う動作をすることが料理やお菓子の厨房では良くあることです。(良い人、物分かりが素直な人はここで面喰います)
言われたことを素直にやって、出来が悪くて叱られる。なんて普通に日常茶飯事。(『ちゃんと、言われた通りにやりました!』って、逆切れしちゃダメです)
「何故、こうしなかったの?」
「これを見て、どうも思わなかったの?」って、先輩・同僚に言われて挫折するなんて良くあるパターン。

例えが下手ですが・・・
同じ駅に待ち合わせして、ある人は商店街を突っ切って、
ある人は公園を回って、ある人は工場などを眺めながら
最後にはみんな待ち合わせ場所の駅前で会う。
歩く速度も、かかった時間も、見た景色も違うけど
同じ駅で待ち合わせられる。・・・これが「ものづくり」
同じ結果・効果を導き出すために、違う工程・違う手法・違う角度から違う考え方をして、結果を同じに出来る。
パン屋さんは特に、焼き上がり時間から逆算しながら、季節ごと、毎日違う気温や湿度から、捏ね具合、水加減、捏ね上がり温度、発酵時間を微調整します。

前回、メーカー業者主催の講習会や洋菓子協会の勉強会なども悪くは無いんですよ、でもねそれが「全て」「正解は一つ」では無いんです。
それを熟せば熟すほど「平均的なロボットお菓子」同じようなお店が全国に乱立していって皆・共倒れにも成りかねない。

もっと自由な発想で、自由な視点をもって「オリジナリティOriginality」
「スペシャリティSpecialty」そして、「サスティナビリティSustainability」な仕事、お店、商売、お菓子作りをしていきましょうね。
最終目標は、自分のオリジナルなケーキ、スイーツ、お菓子、パンを
創り出して、周りの人たちに喜んでもらう!ですからね。

次回は、売ることも大事「5W1Hから6W3Hへ」って話です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?