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菊池亮太 ガーシュウィンの世界


⚠️素人のゆるふわな個人の感想・備忘録です

2024.11.1
オペラシティ コンサートホール

ピアノ 菊池亮太
指揮     和田一樹
管弦楽 タクティカートオーケストラ

それは遡ること約1年前
菊池さんの誕生日に ⬇️こちらのお知らせが


私はクラシック音楽はそこまでたくさんは聴いていないですが、一般的には、1人のピアニストがコンチェルトを弾くのは通常、1曲だと思っていました。
それを…

🎩 『4曲やっちゃおう!一晩で!』

正気ですか?!
確かに、ラプソディーイン・ブルー、セカンドラプソディーはそれぞれ約15分、アイガットリズム変奏曲は約9分なので、3曲合わせて協奏曲1つくらいの長さと思えば、まぁいけるか……ってならないですよ🤣
ピアノ協奏曲ヘ調(in F)は3楽章あるので約40分。つまり、長さだけでいうと1人で40分のコンチェルトを二曲弾くというイメージにはなるけれど、それですら聞いたことないですよね?

前例はあるのかなと少し調べてみると……
ユジャ・ワンがオールラフマニノフの演奏会で一晩で5曲、阪田知樹さんも5曲、横山幸雄さんが3曲演奏されていました!!
恐れ入りましたっ🙌
他にも何名かいらっしゃいましたが錚々たるピアニスト様ばかり!
一晩に何曲もコンチェルトを演奏するって普通じゃ考えられないですよね?!
よほど実力のある方じゃないと、体力も気力も保たないですよね💦

そして、ガーシュウィンは菊池さんが初!!
曲の長さはともあれ、4曲を一晩で弾くというのは、ソリストは勿論、指揮者もオケもそれだけ準備が大変だということ。

コンチェルト祭りは若手のソリストやタクティカートのような若い方の多いオケにとって、レパートリーや経験値を増やすことができる素晴らしい企画ですね。
菊池さんも年齢的にも挑戦するなら今しかないと思われたそうです。(まだまだお若いから来年もいかがですか?🤣)

菊池さんは、ラプソディーインブルーは過去に5回、ソリストとして演奏されているので、お箱と言っても過言ではないけれど、セカンドラプソディーは今年の5月に京都ののだめフェスで一度やったのみ。
そして残りの二曲は今回が初!

リハーサルもおそらく、前々日と前日の2日間だったようです。なので数回通して終わりですよね💦
プロって凄い👏

⬆️セカンドラプソディーより


いつものYouTubeライブでは3時間、飲まず食わずノンストップで弾き続けるので、体力的には大丈夫だろうと思われるかもしれないけど、オケを背負って弾くのはまた特別なプレッシャーとエネルギーが要るのだと菊池さん。

そんな体力に自信のある菊池さんが、このガーシュウィンマラソンのために、ジムに通われたり、ジョギングをされたり、大好きなラーメンやお菓子も断つというストイックぶり。

技術的にも、ガーシュウィンの曲は独特な手癖があり難しいと仰っていましたが、私が思うに、それらはとっくの昔にクリアされていて、唯一心配なのはオケとの調和だったのではないでしょうか。

菊池さんは、ピアニストとしてだけではなく、東京オリンピックのCMを作曲したり、バンドや伴奏の経験などマルチにご活躍されているけれど、ソリストとしてオケと共演する機会は、正直なところ決してまだ多くはない。

しかし、来年の5月に新日本フィルとのヒナステラのコンチェルトも決まっていることからも、着々と音楽業界でもその実力が認められていることは明白で、今回のガーシュウィンマラソンの名演により、ソリストとして招待されることが更に増えるのではないかなと期待しています✨

例え、どんなに圧倒的な技術や表現力を持っていても、ソロで弾くのとオケと弾くのでは全く別物。
調和、融合させなければならない。
その基本となるのがアンサンブルであり、菊池さんはオケとの共演はまだ少ないにせよ、伴奏の経験も豊富で、数々の大舞台にも立ってこられた経験が活かされていると思う。

今回は総勢80名の大編成のオケなので、人数が増えれば増えるほど合わせるのも難しくなる。
体力や技術面ではなくて、そこに対しての不安だったのではないかなと。
1年間、リハもなく、1人で黙々と練習するのだからそれはそれは心細かったと思います🥹
でもそれがソリストの宿命なのですね。

(´-`).。oO(長い…まだ演奏の感想1ミリも書いてなかった‪‪‪‪𐤔‬)

そんなわけで!
菊池さんはそんなプレッシャーにも打ち勝ち、それはそれは素晴らしい、歴史に残る演奏をされました😭👏👏👏
しかも平日にもかかわらず、オペラシティが大入満員👏

私は菊池さんの手元を凝視しながら聴いていたのですが……
おそらくですが、4曲通してノーミスだったのではないでしょうか?!
(素人耳ですが、ある程度予習はして行きました)
いつものライブでも極めてミスタッチの少ない菊池さんですが、このような大舞台でそれをやってのけた…凄まじい集中力に脱帽です😭👏
どれだけの想いでこの日に臨まれたのかが伺えますね🥹
しかもきちんと遊び心も忘れずに、即興でオリジナリティをプラスしながら!!!
それがいかに難しいことか😭

オケともしっかり融合し、大編成にも負けないダイナミックレンジ、繊細な音色、多彩な音色を聴かせてくれました。
(私は前方の席だったので後方はどんな聞こえ方がしたのか気になりますが)

そして、菊池さんがなぜ今回、ガーシュウィンを選んだのかも少し触れておこうと思います。

それは3年前、2021年の10月 
【すみだトリフォニーホールにて】
東京佼成ウィンドオーケストラと初めてラプソディーインブルーを演奏した際に吐露してくださったのです。


当時、カデンツァにコロブチカやイスラメイのモチーフを入れられていたのですが、その経緯をこう語られていました。

以下、要約
『ガーシュウィンがロシア移民の息子であったことから、異国感、移民風をテーマにした。
そして、自分自身も純粋なクラシックピアニストでもジャズピアニストでもないと自負しているので、専門にやられている方とはまた違った演奏になると常々思っている。そういう意味で、自分も移民っぽいと感じたので、カデンツァにこの想いを込め、コロブチカやイスラメイといったロシアの曲を混ぜた』

これを聞いた時は痺れました🥹
今回のコンチェルト祭りのお話が来た際に、
“自分がやるならラフマニノフとかではなくガーシュウィンだ!“
と思われたそうです。
(でも、私は菊池さんのプロコフィエフマラソンも見てみたいですけど)
そして、今回のラプソも、当時のカデンツァに似たモチーフが入っていた気がします…(多分)


そして、3年の時が経て、クラシックのお仕事が増えてはいるものの、ジャンルの垣根に囚われることなく、国内外の大型のジャズフェス、アニメフェス、ロックフェスに招待され大活躍の菊池さん。
こんなピアニストさん、他にいますか?
いないですよね😭かてぃんさんくらいじゃないでしょうか?
ここまで幅広いジャンルを高い水準で弾くことができるピアニストさんって、なかなかいないと思うんです。
技術、表現、知識、レパートリー、そしてなにより即興力が異次元なんですよね🥹
すなわち、総合力が高すぎる!!

“器用貧乏にはなりたくない“
と、どっちつかずの状態になることを恐れているとも仰っていましたが、軸はしっかりとクラシックにあるのだから、そこは胸を張って、これからも菊池さんがやりたいお仕事を貪欲に挑戦して欲しいです。

(´-`).。oO(長い。やっとここから演奏の感想です…ほんとに長くてごめんなさい)

ピアノに座るや否や足を組み、観客の方を見てにやり😏
このお顔、菊池さんのラプソあるあるなんですけど、とてもいい緊張感の表れなんだと思います!
余裕すら感じさせられるが、僅かに震える白魚のような指もまた美しかったのです。

ラプソディーイン・ブルー
もはや菊池さんの代名詞の一つとなりつつありますね!
いつものようにオブリガードも随所に散りばめ彩りを与えてくれます。
音量的にはオケにかき消されるであろう箇所でも負けじとフルパワーで対峙されていました。
カデンツァは、いつもより弱音を多用し、叙情的でメロディアスで美しかったです🥹
また、最後の1番盛り上がるカデンツァはプログレっぽい変則的なリズムで魅せてくれるのは菊池さんならでは!
猫ふんじゃったはスタメンですね🐈
客席からはクスクスと笑い声も☺️
一曲目から重音グリッサンドも惜しみなく、爪が心配になりました😆

セカンドラプソディー  は、京都で1度演奏されていることで今回は余裕ができたのでは無いでしょうか?
難所と言われていた部分も完璧!
オケの方も「初めて演奏するどころか、初めて聴いた」という方もいらっしゃるほどレアな曲で、演奏されること自体珍しいので、私達も聴くことができて嬉しかったです。
非の打ち所のない素晴らしい演奏でした!

サマータイム
おそらく、ヴァイオリンの1stと2ndのパートチェンジの席移動のために一旦退出されたのかな?
その間に菊池さんがサマータイムで繋いでくれました。
オペラシティが一気にジャズバーに🥂
菊池さんが弾くジャズやブルースは、独特の色香がありますよね。
溜めたり、装飾音を入れたり、タッチの強弱で揺さぶったり…細かな技法が素知らぬ顔で入っていて、それでいて決して下品にならない。
品が良すぎても引っ掛からないし、その狭間の絶妙なラインを攻めるのがテクニシャンなんですよね🫠

アイガットリズム変奏曲
こちらもセカンドラプソディー同様、緻密な構成で、オケと合わすのが難しそうな曲だけど、ござさんとの2台ピアノコンサートで演奏されていたこともあり、余裕があるように見えました!素晴らしかったです!

ピアノ協奏曲in F

オケと演奏するのは初お披露目!

出だしから色気が…🫠
私が思っていた以上に随所にカデンツァ(アレンジ)が加えられていて、想像の遥か上をいく素晴らしさでした😭多少アレンジはするだろうとは思っていたけど、ここまでこの曲をご自分のものにされるとは🥹
かっこよすぎましたーーー😭👏👏👏

菊池さんが終始すごく楽しそうに弾かれていたし、曲を隅々まで研究し尽くしているからこそできるアドリブですよね✨
二楽章のフルートとの絡みも素敵でした🥹

⬇️事務員Gさんとしもんさんのコメントに共感しまくりです!!!



そして、私が実は1番気になっていたのはin Fの3楽章のテンポでした。

本番の数日前のキャスで聴いた時、やはり個人的にはもう少し速めがいいなと思っていて、(寝起きに弾いたから遅めだったのかもしれないけど)マーカス・ ロバーツトリオよのようなドラム、ベースのいる構成だったらテンポを落としてねっとりとグルーヴを出すのもいいけど、今回はドラムなしなので間延びしてしまうのではないかと思っていたんです。

「速いだけ、(勢いだけ)では勿体無い」

という菊池さんのお言葉もとてもよく分かるのだけど、スコアにはallegro agitato(快活に早くせきこんで)となっているし、ガーシュウィン自身もきっとここは疾走感で駆け抜けるような演奏をしたんじゃないかなと私は思っていたんです。
(伝記映画ではめちゃくちゃ速かったです)

なので、「本番は速かったりして〜?」
なんて淡い期待をしていたらほんとにキャスより速くて、最後に行くにつれ徐々に加速して、オクターブで駆け上がるとこもめちゃくちゃかっこよかったです😭
これよ!これ!!
この疾走感が欲しかったのよ😭

最後はダーーーーッッと駆け上がって盛大にフィニッシュして欲しかったのです!
(あくまで私個人の感想だけど、そう思う方は多いのでは?)

和田マエストロとの話し合いで決められたのかな?
その辺りのお話もまたお聞きしたいし、トリオも入れた編成でのin Fでテンポを落とした16ビートのバージョンもをまたいつか聴いてみたいです!
きっとめちゃくちゃかっこいいと思います!


アンコールは プレリュード2番

これも久々に原曲を聞き直したところだったけど、
こんなに違ったかな?というくらい崩してるのに、洒脱で色香があって最高にかっこいいからガーシュウィンも嫉妬してると思う♡

この日、演奏したすべての曲をしっとりとマッシュアップさせ、家路も混ざり、終演を惜しむかのよう。

まるで、オペラシティーの聴衆と、菊池さんご自身の記憶の宝箱にそっと蓋をするように、永遠に忘れないように魔法をかけるようでした🪄
(急なポエマー許して‪‎‪𐤔)

そして、コンサートがあまりにも素晴らしくて、興奮のあまり朝4時まで眠れなかった私はこう思ったのです。

ラプソディーインブルーと言えば、小曽根さんやかてぃんさんを思い浮かべる方が多いかもしれないけど、これからは菊池亮太さんも
“ガーシュウィン弾きの名手“ として名前が挙がるようになるんじゃないかな


私が菊池さんのファンだからではなくて、
一人の音楽ファンとして心からそう思うのです。

正に伝説の日でした!!

ガーシュウィンといえば“菊池亮太“

そう言われる日も、決して遠くないと私は思います。

最後に、悩みましたが、衣装についての私の想いを少しだけ書いておこうと思います。

『無敵』と書いたTシャツを着て、もし演奏がイマイチだったら…?
そこに矜持があるからこそ、実力が伴っているからこそ、このTシャツを着ることができるんですよね。
そこには強い意志があるのだと思うのです。
また、菊池さんは少年のようなピュアな心を持っているので、それを着ることで自ら鼓舞されるところもあると思うのです。(漫画みたいでかわいい🏴‍☠️🍖)

ガーシュウィンはどんなに挑戦的な作品でも、聴衆の目線を忘れない音楽家であり、生粋のエンターティナーでもあった

まさに、菊池さんは音楽性のみならず、このエンタメ精神も継承していきたいと思われていたのではないでしょうか。
演奏中も何度も観客の方に目を向けてくれました。
「無敵」が見えるように上着を開いてアピールしたり😂
菊池さんも根っからのエンターティナーですよね♪
緊張していた私達も和ませてくれました☺️
これが出来るピアニストさんって、意外と少ないと思うんですよ。

でも、いつかは見てみたいですけど…タキシード姿。(軽めのスーツでも可🤍)
菊池さんなら何を着ても似合われるし、どんな衣装であっても素晴らしい音楽を生み出すことができますから。
何を着ようが、大事なのは演奏なので。
(揺れる私の想い…‪‎‪𐤔)

TPOに関して問われると悩ましいところだけど、それじゃ、某ピアニストさんのセクシーな衣装はどうなんだ?って話にもなりますし…(私は意思のある個性的なファッションをする方は好きです)
本人が好きな服を着て、気持ちよく演奏することが何より大切なのではないかなと思います。

誰が何を着るかなんて、どんな職業でも、一般人であっても、誰にも指図などできない事ですしね😊
(犯罪に触れたり、周囲に不快な思いをさせない限りは)

(´-`).。oO(新日本フィルの衣装も気になる…アー写のスーツじゃだめなのかなってブレブレな私がいます‪‎‪𐤔)

そんな無敵な菊池さん‎🤍
最高にかっこよかったです!!!
伝説達成、本当におめでとうございます🎉
菊池さんにしかできない挑戦であり、菊池さんの確固たるテクニックと即興力が存分に活かされた素晴らしい演奏でした!!

次はソロコンサート 『For Mars』、ヒナステラとまだまだ挑戦は続きますが、これからも限界を設けず、菊池さんにしかできない音楽を世界中の方に届けてくださいね!応援しています!

和田マエストロ、タクティカートオーケストラの皆様も、本当に素晴らしい演奏をありがとうございました!!!

(´-`).。oO(長い!!6400字超え!自分でも重すぎて嫌になっちゃう‪‎‪𐤔これでもだいぶ削りました‪‎‪𐤔最後まで読んでくれた方がいらっしゃったら、ありがとうございました🙏)











 




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