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【フリー台本】SAVE THE CATの法則

【時間】
15分前後
【人数】
男1、女1
【ジャンル】
コメディ

【あらすじ】
「猫を救って主人公になりたい男子」と、「猫ではないが救ってほしい女子」のちぐはぐな会話劇。

【登場人物】
鈴木(女)・・・高校二年生。本好きで大人しい性格。桜井のことが好き。
桜井(男)・・・鈴木のクラスメート。ちょっと風変わりな男子。

【PDF台本】


【サンプル:本文冒頭】
※鈴M…鈴木モノローグ

鈴M「最近、桜井くんがおかしい。いや、前はおかしくなかったのかってきかれたら前からちょっと変わった人ではあったけど、最近は誰が見てもおかしい」

桜井「困っている猫はいませんか!」

鈴M「桜井くんは最近、猫を助けることに全てをかけている」

桜井「助けを求めている猫はいませんか!」

鈴M「SAVE THE CATの法則、というものをご存知だろうか。ブレイク・スナイダーという脚本家が提唱した脚本術で、要約すると「物語の冒頭、主人公が何らかの行動を起こすことにより、観客は主人公の性格が分かり、主人公に共感し、主人公のことが好きになる。例えば、危機一髪のところで猫を救うとか」というもの。
桜井くんはこの脚本術にいたく感銘を受け、そして、主人公は猫を救い主人公となる、すなわち猫を救ったら主人公だ、という解釈をしたらしい。今の桜井くんにとって、猫を救うこととエクスカリバーを引き抜くことは同じ価値を持っているのだ。
なぜここまで桜井くん事情に詳しいかというと、私たちのクラスでは毎朝日直が『最近あった出来事』を一分間スピーチする決まりがあり、桜井くんがこの件についてたっぷり三分話し先生に止められていたから。そして私が桜井くんのことを好きだから」

桜井「鈴木さん。困っている猫を見かけなかった?」
鈴木「見かけてないなあ」
桜井「分かった、ありがとう。ピンチの猫はいませんか!」

鈴M「桜井くんはそのまま歩き去っていった。ところで、ピンチの猫はいないが、困っているし、ピンチだし、助けてほしい人間ならいた。私だ」

(続く)


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