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気功と道教。道教には「法が無い、という法が有る」そうです。

中国正統派気功老師 盛鶴延先生の気功教室で習ったことや、盛先生のお話し、参加者の体験談、『気功奥義』シリーズを編集しながら教えてもらったことなど、「気功で自分の健康を自分で守るために大切なこと」をつづっています。

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日本では、道教というより、仏教、儒教の影響の方が強いと思いますが、中国は道教の影響が強いのだそうです。

最近は、日本でも老子などが読まれていますが、それでも道教の考え方は日本人はあまり浸透していない気がします。

道教は陰陽、道(タオ)の世界です。
気功はその道教の影響を強く受けています。

先日の気功教室で、
盛鶴延先生は道教のこんなお話をしてくださいました。

広い畑を持っている夫婦がいました。

ある年の春、
夫が牢屋に入れられてしまいました。

これから畑を耕し、
種を蒔かなくてはいけない時に、
働き手の夫がいなくなり
途方に暮れてしまった妻は、
牢屋にいる夫に
手紙で泣き言を書きつらねました。

「あなたがいないのに、
 どうやってこの広い畑を
 耕せばよいのでしょう。

 私一人では到底耕せません。
 だからといって
 人を雇うお金もありません。

 一体、どうしたらよいのでしょう」

牢屋にいる夫は、
すぐ妻に手紙を書きました。


「畑は放っておきなさい。
 決して耕してはいけません。

 実は、畑に武器を隠してあるのです。
 だから決して畑を耕してはいけません」


すると、
役人や警察官が、
その夫婦の畑にどやどややってきて、
畑を掘り起こし始めたのです。

でもなかなか武器が出てこないものだから、
結局、畑を全て掘り起こしたそうです。

もちろん、オチは
畑に武器なんて埋めていなかった、ですが、

道教の智慧は
とても柔らかですね。
柔軟です。


盛先生は、道教には

無法という法がある

と言います。

「法が無い」という「法が有る」と。

このお話しもそうです。

手紙が読まれることを見越して
役人を騙し、
結局は
自分の畑を耕かせました。

ここには、

嘘をつくのは悪いことだ、とか
人を騙すことはよくないことだ、とか
公僕であるお役人さんを
騙して自分達のためだけに
働かせるなんてよくないことだ、とか

そういう法がありません。

正に
法が無いという法が有るだけです。

一方
儒教の影響を強く受けている日本は、

こうあるべきという
法が有ります。

嘘をついてはいけない。
人を騙してはいけない。

という法が有ります。

ある意味
四角四面で融通がきかないというか、
囚われているというか。

もちろん、
どちらが良い悪いではありません。

こういう違いがあるということと、

そういう
法が無いという法が有る
という道教に
気功は強く影響を受けているということだけです。

道教の智慧、
魅力的です。

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